富士通が7月17日、ドコモの夏モデルとして8月上旬に発売予定のシニア向けAndroid端末「らくらくスマートフォン F-12D」と、その新CMの発表会を開催した。らくらくスマートフォンの事前予約は7月20日に開始される。
冒頭のあいさつで登壇した富士通 代表取締役副社長の佐相秀幸氏は、「らくらくホンは、2001年に第1号機の登場以降、累計2000万台以上が販売された人気商品。何の変哲もない外見とは裏腹に、富士通研究所の技術をはじめとする富士通のあらゆる最先端技術や機能が詰め込まれている。らくらくホンで培った音声技術やユニバーサル技術は他の端末に横展開され、富士通の携帯電話事業をけん引してきた。このDNAが今回のらくらくスマートフォンにも引き継がれている」と述べ、2011年に引き続き2012年度も、らくらくホンシリーズとARROWSシリーズで携帯電話の国内出荷シェア首位の座を堅持すると意気込みを語った。
NTTドコモ プロダクト部長の丸山誠二氏は、らくらくホンシリーズの展開と、F-12D誕生の背景と特徴について説明。らくらくホンシリーズの累計販売台数は2012年6月に2100万台となり好調に推移していること、誰でも使いやすい携帯電話をコンセプトに、これまで18機種を発売してきたことを紹介。F-12D開発の背景には、スマートフォンの普及に伴って、らくらくホンユーザーからスマートフォンを使ってみたいという要望が多数あったという。
丸山氏はユーザー調査結果の一例を紹介。携帯電話を持っている55歳以上のユーザーのうち、42%以上が「スマートフォンを使ってみたいと思っている」という結果が出ている。購入したい主な理由としては「画面大きい」「インターネットを使いたい」という点が上がっている。こうした声に応えるために、従来からある「らくらくホンスタンダード」「らくらくホンベーシック」にらくらくスマートフォンを追加し、多様化する要望に応えたいとした。
丸山氏は「らくらくホンの基本コンセプトは『しんせつ、かんたん、見やすい、あんしん』の4つで、らくらくスマートフォンでもこれらを継承している。らくらくホンを使っているユーザーにも簡単に使いこなせるように、さまざまな工夫をした。スマートフォンに期待される大きな画面、快適なインターネットを強化する一方、不安として挙げられている操作の複雑さや料金にきちんと対応し、スマートフォンを楽しんでもらえる内容になっている」と、端末の仕上がりに胸を張った。
F-12Dはどのような特徴を持つのだろうか。1つ目がUI(ユーザーインタフェース)。ドコモのスマートフォンに標準搭載される「docomo Palette UI」と比べて大きなボタンを配置し、読みやすい文字サイズになっているという。また、通常のスマートフォンでは、Androidの標準仕様で縦スクロールと横スクロールの画面移動があるが、F-12Dは縦スクロールだけの簡単操作になっているという。
2つ目が、各種機能やサービスが、らくらくスマートフォンを使うユーザーに合わせて使いやすく再設計されていること。スマートフォン向けのポータルサイトであるdメニューには、らくらくスマートフォン専用のコンテンツが用意され、らくらくiメニューと同様、文字やボタンが大きくて見やすく、シンプルなデザインになっているとした。また、コンテンツプロバイダが提供するコンテンツも、dメニューと同様に大きなアイコンや文字で分かりやすくなっているという。
3つ目が「料金プラン」。らくらくスマートフォンを利用するユーザー向けの新たなパケット定額制「らくらくパケ・ホーダイ」を紹介し、「通常のパケ・ホーダイ フラットよりも2000円以上安い、月額2980円で利用できる。初めてスマートフォンを持つ人も多いと思うが、料金面でも安心して利用してもらえると考えている」と丸山氏は述べた。
使い方や料金の面で安心して使ってもらえる工夫をしているが、それでも迷う人のために、らくらくホンユーザー専用の電話受付センター「らくらくホンセンター」のボタンを用意したことや、有料のあんしん遠隔サポートを利用できることにも言及。丸山氏は「誰でも安心してスマートフォンを楽しんでもらえると確信している」と自信を見せた。
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