モバイルの音源システム統一へ──GML公開

国内のMIDIの標準化団体である音楽電子事業協会は,モバイル機器向けの標準電子音源システムとして「General MIDI Light」を策定,公開した。着信メロディなどへの採用が期待される。

【国内記事】 2001年5月30日更新

 音楽電子事業協会は5月30日,携帯電話などをターゲットとした電子音源の世界標準システムとして「General MIDI Light」(GML)の仕様を決定,公開した。海外のMIDI団体であるMMA(MIDI Manufacturers Association)ともこれを標準採用することで合意している。

 GMLの策定により,着信メロディなどが標準化され,全世界に普及することや,PDAやロボット,ゲームなどへの応用が期待されている。

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 GMLは,音楽,民生機器,エンターテインメントなどの市場で広く普及している音源システム「General MIDI」(GM)を基本とし,モバイル機器に適した形で策定された。GMに対して下位互換性を持ち,PCなどで手軽に扱える「スタンダードミディファイル」(SMF)を標準フォーマットに採用している。

 「GM1.0対応の音源で,GMLの楽曲を製作できることを想定して規格を制定した」(MIDI規格委員会モバイルMIDI部会長の飛河和生氏)

 近年,携帯電話の着信メロディが急速に普及しているが,各社の端末で取り扱う発音方式はそれぞれ異なり,配信データに関する互換性はない。そんな状況を解決するために,同協会では1999年11月からGMLの策定に乗り出した。

 互換性の維持のため,「GM1,2では音源の部分しか策定しなかった。今回は音源だけでなく,コンテンツの作り方の部分やプレーヤーの開発部分まで踏み込んで策定した。かなり細かいことまで決めている」(飛河氏)という。

同時発音数16,128音色

 GMLでは発音方式は限定せず,FM音源でもPCM音源でもかまわない。音色マップはGM1.0準拠で128音色,47ドラムキットとされている。同時発音数は16ノートで,リズムチャンネルには10チャンネルを利用する。また,リバーブなどのエフェクトは含まれていない。ただし,これらは最低仕様であり,各社が独自に拡張するのは自由だという。

 今回のGMLでは楽器音のみを対象にしているが,今後は著作権の保護や,音声ファイル,カラオケ用のテキスト表示などにも対応していくという。

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 音楽電子事業協会には,ローランドやヤマハなどの楽器メーカーのほか,第一興商などの配信企業,J-フォン東日本やツーカーセルラー東京などの通信キャリアも参加している。「通信キャリアや端末メーカーへの売り込みはこれから。ただし,約100社の通信キャリアや端末メーカー,コンテンツメーカーが興味を示している」と檀克義音楽電子事業協会会長は語る。

[斎藤健二,ITmedia]

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