“携帯電話でイントラネットにアクセス”は今が旬(1)──NTTコム

iモードやEZwebなどのブラウザフォンから,企業内のイントラネットやグループウェアにアクセスできるサービスが増えてきた。価格やセキュリティ面の改善が特に著しい。

【国内記事】 2001年6月6日更新

 NTTコミュニケーションズが提供する「モバイルコネクト」は,iモードなどのブラウザフォンから,業務用アプリケーションやデータベースをなどにアクセスし,業務を効率的に推進できるサービスだ(6月5日の記事参照)。

 モバイルコネクトでは,iモードから社内LANまで一度もインターネットを通らないセキュアなネットワークを安価に構築できる。実績のあるNTTコムのデータセンターに主要機器類をホスティングし,NTTドコモのiモードゲートウェイサーバとの間を専用線で,クライアントの社内サーバとを専用線やフレームリレー,VPNなどで接続する。

Photo
NTTコムニュースリリースより

iモードでイントラネットにアクセスするメリット

 iモードから閲覧できるデータベースも,Windows NT,Linux,UNIX,AS400など多岐に渡る。iモードからデータベースにアクセスするインタフェースも,NTTコムがカスタマイズを行う。

 モバイルコネクトの元となったのは,実はNTTコムが社内に導入していた業務支援システム。同社では早くから社内業務の電子化を推し進めており,2000年7月には電子稟議や社員録の検索がiモードから可能になっている。

 特に多忙な管理職には,iモードから決裁できることが大きなメリットとなった。1日に10件ほどある決裁案件も,iモードで承認できるようになってから「(移動中などの)空いている時間に処理できる。つまらない時間のロスがなくなった」とNTTコムのソリューション事業部ITビジネス推進部ビジネスプロモーションGの笠原久嗣統括部長は語る。

 “全てをiモードで済ませよう”とは考えないのが,成功のコツのようだ。「重要な案件は(社に戻って)PCで行う。タイトルを見ただけで済ませられる(定型的な)ものはiモードで決裁する」(笠原統括部長)

 iモードによる決裁は40名ほどの管理職が利用しているという。最初は「こんな小さな画面でできるのか?」という人もいたというが,携帯電話のボタンをほとんど押すことなく操作できるインタフェースのつくりも手伝って評判は上々のようだ。

Photo
社内向けに使われているiモード版の電子稟議。iモードでも簡単な内容がチェックできるようになっており,操作も簡単だ

手間とセキュリティのバランス

 セキュリティは,同社が最も自信を持っている部分だという。そもそものネットワークが専用線をベースに構築されているのに加え,iモード端末からアクセスする際にはワンタイムパスワードを用いることで,不正な成りすましを防いでいる。

 6月5日に商用サービスを開始したモバイルコネクトだが,今後はiモードに限らず「FOMA」やPDAなどに随時対応していく予定だ。

 携帯電話からのアクセスでは,確かに画面が小さく,複雑なことはできない。しかし,使い方によっては大きな業務改善になることは確かだ。

 セキュリティ対策も施され,何よりNTTコムのホスティングサーバ上でiモード対応の主な処理が行われるため,社内のイントラネットを大きく変更することなく導入できる。また初期費用が105万円から,iモードからアクセスするユーザー1人につき月額1000円からと安価にシステムを構築できるのも魅力だ。

 既に社内システムの電子化を済ませた企業にとって,ブラウザフォンの活用は電子化の価値を大いに高める手段である。

[斎藤健二,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!