ドコモAOLi,“2万5000字”の実践レポート

6月1日から開始された,NTTドコモのAOLiサービス。その使い勝手を,実際に使用して検証してみた。

【国内記事】 2001年6月12日更新

 6月1日,ドコモAOLiサービスが始まった。これは最大2万5000字までのメールを閲覧できるという,サーバを利用したサービスだ(5月21日の記事参照)。

 従来の250字しか送受信できなかったiモードメールに比べると,これは比較にならないほどの長さだ。ほかにも30ユーザーへの同報送信が可能になり,新着メールをサーバ側で1000通まで保存できる機能も追加される。また,届いたメールをPCから簡単にチェックすることが可能で,携帯電話とPCのメールアドレスを一元化することもできるわけだ。

 これだけいいことずくめで,しかも使用料は無料。以前にも有料のリモートメールサービスを利用すれば上記のような機能は実現できたが,今回は無料だというのが大きい。これは相当,“使える”サービスなのではないだろうか? そこのところを,実際に利用して検証してみよう。

登録はいたって簡単

 まずは実際に登録してみよう。登録は,iモード携帯電話から行うことになる。NTTドコモのホームページに詳しい登録方法が載っているので,そちらも参照してもらいたい。操作は単純で,「iメニュー」-「メニューリスト」-「AOLメニュー」-「マイメニュー登録」とアクセスすれば,後は指示に従うだけだ。

 サービス開始当初は新規申し込み者が殺到し,登録の際にエラー表示が出るなどの混乱もみられたようだが,現在は「問題なく動作するはず」(ドコモAOL)

 ここで一連の手順を踏み,自分で希望の「スクリーンネーム」を登録すれば,手続きは終了だ。スクリーンネームとはAOLのアドレスを決定するもので,このアドレス(スクリーンネーム@aol.com)宛に届いた長いメールが,手持ちのメールアドレスに転送され,閲覧できるようになる。現AOLユーザーなら,そのままPCのアドレスを携帯電話のアドレスとして持つことが可能だ。1端末につき1アドレスを持てるという。

実際に長いメールを受信しよう

 さて,登録が完了したら,友人知人に「長いメールはこちら(スクリーンネーム)に送ってくれ」と知らせよう。具体的には,240文字を超えるメールがサービスの対象となる。もちろん240文字以下のメールに関してもAOLiのサーバに保管されるため,PCから読むことが可能だ。

 さて,240字を超えるメールを受信するとどうなるだろう? 従来のiモードメールでは受信しきれない部分は途中で切れてしまい,表示されなかった。AOLiを利用すると,表示できなかったメールの終わりに以下のように表示される。

Photo

 「全文を読むには次をクリック」の指示どおりクリックすると,データを受信すべくiモードの接続が始まる。しばし待ったあと,表示される画面が下の写真である。

Photo

Photo

 ここで飛ぶiモードサイトは,登録の初めにマイメニュー登録した,AOLiのサイトだ。ようこそ……のあとに,モザイクで見えないが自分のスクリーンネームが表示される。これでメールボックスにメールを見にいけば(画面では0件と表示されているが)メールの続きが閲覧できるというわけである。

 なおサイトにログインするにはパスワード入力が必要だが,前回のアクセスから24時間以内に再び訪れた場合,パスワード入力の必要はない。場合によってパスワードを入力する必要があったりなかったりするのは,こういうわけだ。

iモードは弱点を克服しきれたか?

 AOLiのサービスで,まず気になる点は受信料だ。このサービスの場合,メール受信のほかにいちいちAOLのiモードサイトに飛ばなければならないので,そのサイト閲覧のパケット代が別途かかる。

 1パケット64文字で0.3円だから,AOLのサイトを表示させるのにせいぜい数円しかかからないだろうが,パスワードを入力するのにまず何円,メールボックスを表示させるのにまた何円,と料金が加算されていく。メール受信料ももちろんかかるので,1メールごとに毎回数円がかかるわけだ。これはiモードサイト上にメールを保管するというシステム上,仕方のないところとはいえ,やはり不便なところだ。

 ユーザーがもう1つ注意しなければならないのは,このiモードサイト上に保管されたメールは3日で消えてしまうということだ。サーバ上で受信したメールが次々消え,携帯から240文字を超える内容が読めなくなってしまうのは少々厳しいかもしれない。

 従来,iモードは長いメールを受信できないというのが弱点だった。iモードは月額300円で,送受信は250文字まで。これがauのEZweb@mailなら,月額200円で0.27円/パケットのメールが5000文字受信可能(送信は500文字まで),J-フォンのロングEメールでも,月額200円でメールが3000文字まで一回8円で受信可能(192文字までは受信無料)だ。こうしたサービスとくらべると,iモードは長いメールの受信という点においてやや見劣りする感は否めない。

 今回のサービスで2万5000字と,擬似的にとはいえ他社のサービスを大きく上回る受信文字数を実現したドコモ。しかし,こういったかたちの2万5000字より,「普通に500字受信できる」ほうがやはりユーザーにとっては嬉しいだろう。確かに受信したメールはPCからも閲覧が可能だが,携帯電話で完結できるならそれに越したことはない。

 その意味で,今回の解決策は「ユーザーが望む最高のもの」とは,やや隔たりがあったのではないだろうか。

 2万5000字といえば,今書いているこの原稿よりも長い。これだけのメールを携帯で受信する必要のあるユーザーは,そうそういないということだけは,確実にいえるだろう。

[杉浦正武,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!