JavaとRTOSで盛り上がる組み込みソフトウェア──ESEC

「組込みシステム開発技術展」(ESEC)では,組み込み系のJavaや各種リアルタイムOSが注目を浴びていた。

【国内記事】 2001年6月28日更新

 6月27日から東京・ビッグサイトで「組込みシステム開発技術展」(ESEC)が開催されている。情報家電や携帯電話が注目を集めるなか,第4回となる今回は,前回よりさらに規模が拡大し,にぎわう展示会となった。

アプリックスはWindows CE用Javaをアピール

 携帯電話向けの組み込み用Javaとして多数の採用実績を持つ「microJBlend」(用語)の開発メーカー,アプリックスは,Windows CE用のmicroJBlendをデモ。

 コンパックの「iPAQ Pocket PC」上に搭載されたmicroJBlend上では,携帯電話の解像度に合わせた120×120ピクセル程度の画面で,Javaアプリケーションが動作していた。

 現状ではMIDP(用語)のみに対応しており,iアプリやJ-フォンのJavaアプリ,ezplusは動作しない。将来的にNTTドコモのプロファイル「DoJa」や,J-フォンのMIDP拡張API,KDDIの拡張APIに対応すれば,携帯電話用に作られたJavaアプリケーションがWindows CE上で動作するという。

 ただし,Windows CE上でパフォーマンスを出すのは難しく,「Widnows CEに合わせてチューニングを行えば,携帯電話と同等程度の速度が出せる」(アプリックス)という。

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iPAQ Pocket PC上で,MIDPのJavaアプリケーションが動作している

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microJBlendが搭載された携帯電話も一斉展示。発売済みのドコモの「SO503i」やJ-フォンの「J-SH07」のほかに,auの「C451H」「C452CA」もならべられていた

QNXはiPAQ上でリアルタイムOSをデモ

 組み込み用リアルタイムOS(RTOS)の大手,QNXソフトウェアシステムズは,iPAQ Pocket PC上にQNXを搭載。元はx86用のRTOSだったQNXだが,マルチプラットフォームへの対応を進め,現在のヴァージョン6.1ではStrong ArmやSH4,MIPS,PowerPCなどにも対応する。「次世代の携帯に対応できるよう,xScale版も準備している」(QNXソフトウエアシステムズの岡澤幸一テクニカルマネージャ)

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iPAQ Pocket PC上で動作する,リアルタイムOS,QNX

 QNXは,マイクロカーネルにモジュールを追加して構成していく。モジュール構成の変更しだいでSMPにも対応するなどスケーラビリティの高さが魅力の1つだ。「まずはカーナビなど車載機器への採用を目指す。将来的には携帯電話などにも搭載していきたい」(岡澤氏)

 QNXのベーシックな環境は1Mバイト程度で構築でき,数100Kバイトを追加すればTCP/IPが搭載できると岡澤氏は言う。

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Motorola製の「MobileGT」。PowerPCを搭載した社内情報システムとしてQNXを採用し,Java VMも備えている

[斎藤健二,ITmedia]

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