松下,IMT-2000をにらみ2GHz帯用の屋内用アンテナを開発

IMT-2000の開始を数カ月後に控え,2GHz帯向けに新開発の屋内基地局用アンテナが登場する。

【国内記事】 2001年7月12日更新

 松下電器産業は7月12日,2GHz周波数帯用のツインエリアアンテナを開発したと発表した。屋内や地下街などの細長く広範囲な場所での電波の送受信を得意とし,薄型で指向性が強いのが特徴。IMT-2000をメインターゲットとし,2002年以降の実現を目指す。

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箱型で指向性が強い

 従来,携帯電話などの屋内用アンテナには指向性のないモノポール型アンテナが使われていた。新開発のツインエリアアンテナは指向性が強く,電波のカバーエリアは楕円形をしている。これによって細長い地域を従来のアンテナよりも少ない数でカバーできる。「長手方向は(従来のアンテナの)半分の数でカバーできる」(松下電器産業デバイス開発センター通信デバイスグループのグループマネージャーである朝倉宏之氏)

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右が従来のモノポール型アンテナ。左が新開発のツインエリアアンテナ。モノポール型は受信用と送信用の2つを組み合わせ,さらに光インタフェースなども組み合わせて使う必要がある。ツインエリアアンテナはそのすべてを内蔵している

 ツインエリアアンテナは,送信用と受信用に箱状の2つのアンテナを組み合せてできている。それぞれの箱は,2つのアンテナを組み合わせて見かけ上1つになっている。2つのアンテナが横方向だけに強め合い,縦方向には打ち消すことで楕円形のカバーエリアを実現したという。「空間ダイバシティ(用語とは違う」(朝倉氏)

 また従来大型であったインタフェース部を小型化し,箱型のアンテナの内部に収納,一体化したのも特徴だ。「これまでは受信,送信の(帯域)フィルタに強力なものが必要だったが,指向性のあるツインエリアアンテナと組み合わせることで,フィルタを小型化できた」(朝倉氏)

 帯域は別に400MHzが確保される。1.9GHz帯のPHSから2GHz帯のIMT-2000,2.4GHz帯の無線LANまでカバーできるが,新規インフラとしてニーズの強い「携帯電話やPHSに近いところを狙っている」(朝倉氏)という。

[斎藤健二,ITmedia]

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