ドコモ,第4世代携帯電話はIP網と融合へ

7月12日東京国際フォーラムで開催された「富士通ソリューションフォーラム2001」において,NTTドコモの弓場英明取締役が講演を行い,第4世代携帯電話の技術展開について語った。

【国内記事】 2001年7月13日更新

 7月12日,東京国際フォーラムで開催された「富士通ソリューションフォーラム2001」において,NTTドコモのコアネットワーク開発部長である弓場英明取締役が講演を行った。同氏はFOMAについてサービス概要,コアネットワーク技術などを紹介すると共に,開発中の第4世代携帯電話についても触れた。

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 第4世代携帯電話は,最大で20Mbps以上の通信速度を実現させるというもの。無線リソースを効率よく利用できるほか,無線での高速広帯域伝送が可能なことにより高速データ通信が可能になるという。

 要素となる技術としては,受信パワーを一定にコントロールできる無線アンテナ「アダプティブアレイ」や3G-8Gのマイクロ波帯における無線回路技術,さらにセル半径を数十メートルまで小さくした「ピコセル」技術や「適応等化」などの技術があげられた。

 「2007年から2010年ぐらいにサービスを開始させる予定だが,この分野の展開速度は速い。もしかするともっと早く(サービスを開始)しないといけないかもしれない」(弓場取締役)

電話網を「IP通信網と融合させる」

 同氏はまた「今,市場でのIT,ソリューションのカギはインターネットを使いこなし,その上でアプリケーションを使うところにある。そして我々のサービスはインターネットと整合性が高い。今後はIPによる転送網を作ってサービスを融合させていく」と語った。

 同氏は続けて「第4世代じゃないと全然IP通信網はできあがっていないのか,というと,それは違う。今はパケット網というIP網がある」と補足。「今後故障が起きた時自動で復活するようなシステムにしていかないといけない。音声(通話)も含め,どういうIP網にしていくかが問題だ」と発言した。

「ビットコストは100分の1以下に」

 ビットコストについては「劇的に下げなければいけない」と強調した。既に試験サービスが提供されているFOMAに関しては,従来の0.3円/パケットを0.05円/パケットと6分の1に下げることができたと説明。「第4世代では2桁以上安くしなければいけない」と発言した。

 FOMAで384Kbpsのパケット通信を行った場合,1分で最大1100円とかなりの通信費用がかかる計算になる。第4世代で20Mbpsの通信速度が実現したとすると,0.05円/パケットでは通信費用は1分何万円。価格設定は2桁以上安くすることがぜひとも期待されるところだ。

 ともあれ第3世代であるFOMAは,サービスとして成功するかどうか全くの未知数(6月5日の記事参照)。ドコモでは歌手の宇多田ヒカルをCFキャラクターに起用するなど(7月12日の記事参照)FOMAを世間に告知する体勢は整えつつあるようだ。この第3世代携帯電話がヒットしなければ,第4世代携帯電話の成功もない。FOMAの本サービス提供開始日は10月1日。早くも,あと3カ月後に迫っている。

[杉浦正武,ITmedia]

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