携帯電話データ通信の影にIntelあり――デベロッパーに向けたアーキテクチャ

東京ビッグサイトで開催されたWireless Japan 2001ではIntelのRonald J.Smith上級副社長が登壇し,今後のデータ通信について語った。

【国内記事】 2001年7月17日更新

 東京ビッグサイトで7月17日に開催されたWireless Japan 2001では,講演にIntelのRonald J.Smith上級副社長が登壇。大会のメインテーマであるワイヤレスに関連して,ワイヤレスのデータ通信について語った。

Photo
Ronald J.Smith上級副社長

 「ワイヤレス・データ通信が求められている」Ronald J.Smith上級副社長は,日本の携帯電話の現状についてこう述べた。「NTTドコモのデータで見るかぎり,ドコモが契約者から得る音声通話での収入は落ちてきている。一方データ通信での収入は上昇している」

 同氏は通信事業者の収益構造について“2004年にはデータ通信による収益が通話による収益を上回る”とする調査会社ARCの予測も紹介した上で,データ通信の要求が高まっていると触れた。

 「そしてデータ通信におけるアプリケーションを,迅速に開発するためのアーキテクチャが必要だ」

Intelの「モバイル・マルチメディアに最適なアーキテクチャ」

 Intelは既に「Personal Internet Client Architecture」というアーキテクチャを発表し,デベロッパーに向けて提供していくことを明らかにしている(9月25日の記事参照)。

 「Intelのアーキテクチャは,演算部にStrongARMプロセッサおよびそれよりさらに優れたXScaleを用い,通信部にはIntelのベースバンド・チップセットを用いる。メモリ部には世界でトップをとっている,Intelのフラッシュメモリを用いた仕様になっている」(Ronald J.Smith上級副社長)

 このアーキテクチャを利用することで,より早くアプリケーションを開発することができる。「モバイル・マルチメディアに最適なもの」になっているという。

あらゆる端末で利用可能なアプリケーション

 Ronald J.Smith上級副社長は続けて「インターネットは1つ」であるべきだと発言。「iモードに4万2000のサイトがあるといっても,インターネットサイト数の3200万にくらべれば赤ちゃんだ。(両社が別々のものとして存在するよりは)ユーザーの期待に応え,“ひとつのユニバーサルIPネットワーク”を実現して世界でワイヤレスデータ通信を進展させる必要がある」と主張した。

 「重要なのはインターネットそのものにIPプロトコルで入っていくこと。1つのインターネットからいろいろなデバイスへ,アプリケーションがつながっているというのは,非常にク―ルだと思う」

 その後会場ではMacroMediaのFlashの画像をPCや携帯電話向けに送信できるファンメールのサービスなどのデモが行われた。「デバイス間で画面の配色も画面サイズも異なるのに,同じメッセージが送れるアプリケーション」として紹介されていた。

FOMAにもIntelのチップが搭載

 Intelは現在,携帯電話にXScaleを搭載していくことを目指している。

 今回会場では,NEC製の「FOMA N2001」にIntelのチップが採用されていることも明らかにされた。StrongARMの「SA-1110」が搭載されているのだという。

[杉浦正武,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!