第4世代携帯電話は100Mbps──総務省

総務省が提示した第4世代携帯電話は,100Mbpsの伝送速度を持ち,無線LANやデジタル地上波放送とシームレスな連携が可能な夢の携帯電話。2010年の登場を目指している。

【国内記事】 2001年7月19日更新

 NTTドコモの第3世代携帯電話サービスが試験サービスを始めてまだ1カ月少々。話題は既に第4世代に向かっている。

 東京ビッグサイトで開催されている「Wireless Conference 2001」(特集ページ)最終日となる19日は,総務省総合通信基盤局の山内智生氏が,「第4世代移動通信システムの将来展望」について講演を行った。

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第4世代は2010年から

 山内氏は,アナログからデジタル,IMT-2000(用語)へと進んできた移動体通信の歴史を紹介し,「だいたい10年おきに次の世代が登場する」と語る。1990年代が第2世代のデジタル(用語)ならば,2000年代は第3世代のIMT-2000,2010年からは第4世代,というわけだ。

 第4世代の携帯電話の特徴は,イメージとして以下のようになるという。

下り伝送速度を50〜100Mbps程度に
周波数や通信方式をソフトウェアによって変更できる,ソフトウェア無線技術を導入
ホットスポットでも利用可能な100Mbps以上の無線アクセスシステム
高精細な動画像伝送を含むモバイルマルチメディア
IPv6に対応
次世代Bluetooth,無線ホームリンクなどやデジタル放送とのシームレス性

 ドコモのFOMAは現状下り最大384Kbpsという伝送速度だが,IMT-2000では最大2Mbpsの伝送速度が想定されており,いずれそこまで高速化されると見られている。しかし,速度の向上はそこにとどまらない。

 総務省の資料によると「IMT-2000バンドを利用し,伝送速度が30Mbpsの3.5世代移動通信システムを2005年頃に実現」とされており,山内氏も「IMT-2000をより高度化して,数十Mbpsにするという検討がされている」と語る。

 しかし「有線系では100Mbpsは当たり前。Gbpsも登場している。(この速度は)IMT-2000では実現できないが,当然モバイルでも,という要求はある」と山内氏は,100Mbpsを実現する第4世代移動体通信の必要性を説く。

超高速通信,ワイヤレスIPV6,ソフトウェア無線

 第4世代携帯電話の特徴は,その速度だけではない。2010年には,構内・ホットスポット向けに100Mbps程度の高速無線LANが登場すると予想されているし,デジタル地上波放送も開始されている。

 これらのほかのメディアとシームレスに連携できることが第4世代携帯電話には求められているという。総務省の資料「新世代移動通信システムの利用シーン」には,

 “ホームに出入りするときに改札機に近づけるだけで,携帯が切符の代わりをしてくれます。移動中はメールのチェックをしたり,携帯テレビとしても利用できるので,地上波デジタルテレビでニュースや株価情報をチェックします。テレビを見るときは,もちろん携帯がリモコン代わりに……。

 と第4世代携帯電話の利用シーンが描かれている。

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 また,総務省の資料によると,第4世代携帯電話では5GHz〜6GHzより下の周波数帯が候補となるという。

現状はコンセプト段階

 魅力的な第4世代携帯電話だが,現在の状況は基本コンセプトや技術開発・標準化課題をまとめた骨格の段階。

 2002年には,3.5世代の研究開発と実用化研究が始まり,第4世代についても要素技術の研究開発が開始される。第4世代の実用化研究や規格化が始まるのは2005年の予定だ。

[斎藤健二,ITmedia]

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