東芝が語る「FOMA動画配信が受け入れられるこれだけの理由」

東京ビッグサイトで7月19日に行われた「Wireless Conference 2001」では,3Gおよび4G携帯電話をめぐるパネルディスカッションが行われた。

【国内記事】 2001年7月19日更新

 7月19日に東京ビッグサイトで開催された「Wireless Conference 2001」では,東芝,Qualcomm,日本エリクソンの3社による,3Gおよび4Gの携帯電話をめぐるパネルディスカッションが行われた。

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左から東芝のデジタルメディア機器久保勲上席常務,QualcommのCDMAテクノロジー部門マーケティング&プロダクトマネージメント担当シニアバイスプレジデントJohan E.Lodenius氏,日本エリクソンのモバイルインターネット・ソリューション部ゼネラルマネージャーMichael Bjarne氏

 3Gの話題では,初めLodenius氏が動画コンテンツの価格を安くする必要を指摘し,Michael Bjarne氏は日本市場はコンシューマ寄りのコンテンツが求められていることを指摘。そんな中,久保上席常務は次のように発言した。

 「3Gの確かなメリットはスピードだ。(ビジネス用アプリケーションである)Notesと連携するに足るスピードであり,動画も見れる。2時間の映画は無理だろうが,5〜10秒の画像なら十分送り得る。これはキラーアプリケーションになるだろう」

 「2002年のワールドカップでは,ケイタイ,PDAでエキサイティングなシーンであるゴールシーンを見るユーザーが増えると我々は見込んでいる」

 「現在でも巨人戦が終わると,iモードで(野球サイトあてに)いっせいに試合結果を知るためのアクセスが来る。ここに松井のホームランなどのビデオクリップ映像をつければいい。来年の5月ごろには,FOMAの動画は相当多くの人に受け入れられているだろう」

東芝は“動画配信推進派”

 Wireless Japanの会場ではauの動画配信端末も展示が行われていたが(7月18日の記事参照),この端末の製造元は東芝。さらにFOMAでもビジュアル端末を投入する予定だ(3月27日の記事参照)。

 さらに東芝は1月16日にMPEG-4のビデオコーデックLSI「TC35273XB」を商品化している(1月16日の記事参照)。東芝は動画配信に密にからんでおり,FOMAの384Kbps動画も当然,推進する立場にあるのだ。

 FOMAへの動画配信が,その料金の高さなどから成功を疑問視する声もある中で,上記のように積極的に未来を肯定するのもそのためだ。しかしスポーツのビデオクリップ配信は,実現すれば確かに魅力的なサービスではある。

 ディスカッションの終わりに,4Gの携帯電話の話題になった時久保上席常務はこう発言した。

 「ワイヤレステクノロジーで気をつけなければならないのは,周波数が有限であること。2010年には1.9GHzもの帯域を利用することになるという報告もある。これほどの長さを連続してとれる周波数は今のところない。技術的に,ブレークスルーが非常に難しいところだ」

 「無線というのは非常に不安定。その中でどうハイビットレートなものを送るか」

 「携帯電話のリコールが続いているが,W-CDMAに入っているソフトは120万行くらい。UNIXの倍のソフトが入っている。(これは詰め込み過ぎで,不具合の原因となる)これが第4世代になるともっとひどくなる」

 これらは4Gの携帯電話についての問題だが,同時に動画配信の未来についての問題でもある。動画を推進する東芝にとっては,頭の痛いところだろう。

[杉浦正武,ITmedia]

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