拡大する「変換」ビジネス――フレックス・ファームの巨視的戦略

フレックス・ファームは7月25日,プライベートセミナーを開催すると共に,カナダのevolutionBと提携したことを発表した。今後協力してコンテンツ変換などの事業展開を行う。

【国内記事】 2001年7月25日更新

 フレックス・ファームは7月25日,都内のホテルでプライベートセミナーを開催した。会場ではカナダのevolutionBとの提携も発表された。

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フレックス・ファームの稲垣昭治社長

 同社が提供するのは,「xシリーズ」(クロスシリーズ)と呼ばれる一連のモバイル向け製品群だ。製品の1つ「x-Servlet」は,XMLやHTMLで制作したコンテンツをさまざまなデバイス向けに変換するサーバ用ソフトウェア。コンテンツプロバイダはこれを利用することで,1つのコンテンツを制作すれば,ブラウザフォンやPDA,PCなどすべてに向けて配信できる。

 「コンテンツはキャリア別に変換するのでなく,(さらに細かく)機種別に変換できるのがウリ。機種ごとに画像サイズやページ分割を最適に行える。また,意外に忘れられがちな絵文字変換もカバーしている」(フレックス・ファーム)

 またx-Servletは変換したサイトを,基本となるHTMLのコンテンツと比べて40%の速さで処理できる。「さすがにHTMLネイティブと同じ速さで表示することは不可能だが,かなりの高速だと考えている」(フレックス・ファーム)

 現在,トヨタの車買い取りネットワーク「T-UP」や大手出版社,福利厚生事業者,大手化粧品メーカーなどで採用実績がある。変換プラットフォームは注目度が高く,各社が参入している状況だが(7月9日の記事参照),「今年末で10〜20社に集約されるだろう。いずれは5社ぐらいになるのではないか」(フレックス・ファーム)という。

ビジネスシステムも各デバイス向けに変換

 今回,セミナーではカナダのEvolutionBと提携し,モバイル事業展開を行うことも発表された。

 evolutionBは,イントラネットおよびエクストラネット向けの企業情報システムを用意に構築できるツール「Synergy」などを開発・販売している企業。任天堂やSiemens,米国空軍,米連邦政府などで採用実績があるという。

 evolutionBとの連携で,具体的にはフレックスファームが今後,日本国内での販売代理店となる。ほかにもフレックス・ファームが考えているのが,Synergyとxシリーズを連動させた「x-Synergy」サービスだ。

 「x-Synergyにより,一度の開発でさまざまなキャリアやデバイスに対応したビジネスシステムを構築することができる。たとえばビジネスワークフローのシステムをPC用に構築した場合,コンピュータ言語を変換し,各デバイス向けに最適化することで,すべての携帯電話やPDAからもアクセスできるようにする」

 「デバイスに新しい機種が出た時も,一から作り直す必要なく容易に対応させることができる。社名はフレックス・ファームだが,これはまさにフレキシブルなプラットフォームだ」(フレックス・ファーム)

さまざまな場面での“変換”

 フレックス・ファームは「今後モバイルはさまざまな場面で利用される」と語る。「街角ではビジネスマンがグループウェアを使い,家にはインターネット家電が増える。公共施設やホテルでは,モバイル機器を使ったサービスが提供される」

 そんなさまざまなサービス,コンテンツが用意される時代に必要なのは,コンテンツを1つ作ることであらゆるモバイル機器に対応できるようにするプラットフォーム。多様なモバイル機器の出現が予想されるなかで,この需要はますます高まるだろう。

[杉浦正武,ITmedia]

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