賞金100万円のモバイル動画コンテンスト――「勝手動画サイト」繁栄を待ち望むドコモ

8月3日から開催される大賞賞金100万円のモバイル動画コンテストには，NTTドコモも協賛している。コンテストは一般のユーザーも参加可能で，優秀な作品はM-stage visualの「ドコモch」で紹介される予定だ。

【国内記事】

2001年8月2日更新

　モバイルコンテンツフォーラムは8月3日から，モバイル動画のコンテスト「mobile Visual 2001」を開催する。大賞賞金は100万円，部門賞はモバイル動画再生端末「eggy」1台と7万円相当のヒューマンアカデミー受講券。こちらで応募を受け付けるという。

　受賞作品は幕張メッセで開催される「WORLD PC EXPO 2001」特設ステージで9月22日に発表，紹介されるほか，動画配信サービスM-stage visualの「ドコモch」でも紹介される予定だ。

動画のすそ野を広げるために

　今回，NTTドコモはmobile visual 2001に協賛している。ドコモはFOMA試験サービスで，動画配信サービスM-stage visualを提供している。こうしたコンテストなどで，モバイル動画の分野を盛り上げたい考えだ。

　mobile visual 2001の応募資格は「応募作品の著作権および著作隣接者権者を有する企業・団体および個人・グループ」となっているが，分かりやすくいうと「（プロだけでなく）一般のユーザーにもふるって参加してほしい」（NTTドコモ）。部門賞受賞者にさまざまな講座が用意されているヒューマンアカデミーの受講券7万円分が贈られるのも，受賞者にさらに技術を学んで動画サイト作りを盛り上げてほしいという意図の表れだろう。

　現在ドコモは同社Webページ上で一般のユーザーに動画コンテンツの制作方法を公開している。これに従えば誰でもPCを使ってeggy端末向けの動画サイトが制作可能。「eggy対応のHTMLで書いたページ及び動画をインターネットからアクセス可能なWebサーバに置いていただくだけで」（同社Webページ）eggy端末から視聴可能な動画サイトが制作できるという。

　「（サイトには）チャンネルを割り当てることはできないが，URLを直接打つことでアクセスできるようになる」（NTTドコモ）

　ドコモが思い描くのは，iモードの勝手サイトの動画版。チャンネルを割り当てたサイトは“公式動画サイト”であり，URLを直接打ってアクセスするサイトは“勝手動画サイト”であるというわけだ。ドコモはこの構図に「我々にはiモード成功のノウハウがある」と自信を見せる。

iモードサイトほど制作は簡単ではないが

　懸念は動画サイトがiモードサイトよりも制作に時間とコストがかかること。映像は編集の手間がかかり，使用する機材もやや高価だ。これが映像に関して素人のユーザーにとって，障害になることは間違いない。

　“勝手動画サイト”には，ドコモによる課金方法は用意されていない。苦労してお金もかけたサイトが，なんら収益性がないのは制作者にとっては辛いところだ。

　しかし今後FOMAが普及すれば，携帯電話により簡易にアクセスできる動画サイトのニーズも高まる。現状のiモードのように，大手プロバイダが勝手動画サイト向けに課金方法を提供するような状況（5月24日の記事参照）も考えられる。

　次世代で携帯電話モバイル動画は盛り上がるのか。mobile visual 2001の応募期間は9月6日まで，最終ノミネート作品は9月14日に発表される予定だ。

[杉浦正武，ITmedia]

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