空港で携帯探し。ホテルで通信──旅先携帯日記:フランス編

ケータイ文化の現地リポート2日目は,シャルルドゴール空港内とホテルでの電話事情を中心に文化面にも触れていく。書店では日本メーカーの健闘ぶりもみられるとのこと……

【フランス発】 2001年8月12日更新

10日 空港で携帯探し。ホテルで通信(シャルルドゴール空港〜モンパルナス)

早朝のパリ・シャルルドゴール空港に到着

 シャルルドゴール空港に到着したのは8月10日の午前5時だった。同空港は24時間稼動で運営されているとはいうものの,さすがに早朝は,到着した便から降りた乗客と,ほんの少数の出迎えがいるばかりだ。上空からは,遥か彼方に夜明けらしき光も見えたが,着陸した現地はまだ真っ暗闇の中。どこにいこうと「万年おのぼりさん」である筆者にとっては,驚きと気後れのネタには事欠かない日々が,こうしてスタート。

グレー電話がなつかしい? 通信環境が見当たらない

 午前7時に運行が開始されるという市街へ向かうバスを待って,しばらく到着ロビーをうろうろしていた。ケータイの姿を探したいというのもそうだが,まず公衆電話がどうなっているかも知りたかった。国際空港らしく,すぐにクレジットカード対応の公衆電話がみつかり……。

 だが,読者諸氏が1度は使ったことがあると思われるグレーの公衆電話をすぐに懐かしく思う結果となった。いわゆる通信コネクタ,モジュラージャックの付いている電話機にお目にかかることはできず,すべて「もしもし」専用の電話機だったのだ。

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シャルルドゴール空港内の公衆電話。France Telecomのもので,探し回ってみた限りでは,すべてこのカタチ。音響カプラがなければ通信できない

 まずは,“無事に着いたことを編集部にメールしようか”という筆者の試みはもろくも崩れ去った。東京との時差はマイナス7時間。こちらは早朝でも東京側ではちょうどいい稼働時間になると思ったのだが,ホテルに着くまで通信はおあずけのようだ。

 ならば,と,この待ち時間に空港内のショップでプリペイドのGSM携帯電話を購入しよう。本当は市街でレポートのネタを拾いがてらにしたかったが,時間もあることだしと気分を変えた。

空港内を,ケータイたずねて1時間。最初は空振り?

 インフォメーションカウンターにて職員に聞いたところ,「空港1Fにショップが並んでおり,そこのCDショップで電話を売っている」とのこと。礼をいい,がらがらとスーツケースをひっぱりながら移動した。ちなみに,こちらでは日本でいう1Fは「0F」となり,1Fは日本でいう2Fとなる。

 教えてもらったフロアでは,ちょうどさまざまなショップが開店していく時間のようだった。その中でウワサの「CDショップ」はすぐに見つかったのだが,店員に聞いたところプリペイドはおろか携帯電話自体も扱ってないという。

 確かに,このCDショップはパソコンショップも兼ねており,GSMでのモバイル通信に使うPCカードはあったものの携帯電話はない。空港内にはほかに電話を扱っている店もなく,市街にいってから購入するがよかろうという指導もいただき,すごすご引き返してきた。

書店で見かけたケータイ雑誌・日本メーカーの健闘

 まだ少し時間もある。ということで次は同じく空港内の書店へ。

 いまのところ,まだケータイで話している人を見かけないのは早朝だからなのだろう。書店でケータイのにおいを探すことにした。筆者はまるでフランス語を解することができないが,表紙にケータイの写真が載っていれば,それはケータイ雑誌であると固く信じ,というよりは心に決め書店内を探したところ……なるほど,すぐに見つかった。

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 数誌のそれと思しき雑誌があり,また,その中の一誌は「mobile」誌という雑誌の各種携帯電話の比較特集号のようだ。中を覗けば(平たくいえば,立ち読みすれば)当然すべてフランス語。分かるのはメーカー名と拾い読みできる各種スペックの一覧表くらいのものだ。

 とはいえ,その中でも思うところはある。日本で見慣れたシルエットのケータイだな,と思うと,メーカー名は「Panasonic」「Sony」とあり,やはり日本メーカーのものだ。あと「Trium」というメーカー名もあり,これは三菱電機の欧州での現地ブランドである。

 以前聞いたところでは,三菱は自社の名前「Mitsubishi Electronics」は小さい文字での表記とし,ブランド名としてのTriumを浸透させようというスタンスでいるとのこと。

 ほかには,Nokia,Ericsson,AlcatelSiemensといった欧州メーカーに,Motrolaを代表とする米国勢。日本でもEricssonやNokiaの端末を見ることができるが,やはりデザインテイストは現地のほうが“全開”になっているようだ。

 少々ギョッとするような色やカタチのものも見ることができる。だが,もっともそれは前述したPanasonicやSonyの携帯電話をこちらの人々が見るときの感想とさほど変わらないのかもしれない。

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特にAlcatelの電話は奇抜なデザインに見える。実際のモノを触ってみるのが楽しみだ

高速道路からの風景。そしてホテルにチェックイン

 一通りケータイ雑誌を購入した。日本円で1冊700円程度。こちらでの感覚は分からないが結構なお値段のような気もする。それを抱えてリムジンバスに乗り込んだ。目指すは宿泊地モンパルナス。エッフェル塔にほど近い,市街中心部である。

 クルマ酔いしやすい筆者は車内で雑誌を読むわけにもいかず高速道路を行き交う車を眺め続けていたが,1つ気づいたのは日本車をあまり見かけないこと。そういえばバスもPeugeot製。当然のことながら,欧州は自動車先進国でもある。意外だったのは日本で“ヨーロッパ車”といえば代表選手のドイツ車が意外と少なかったことだ……。

 などと思っているうちに1時間ほどでモンパルナス。フランス国鉄の駅の前で降り,ホテルにとりあえずチェックインした。あまり観光観光したホテルや少女趣味なホテルは避け,ビジネスホテルのチェーンであるメルキュールのモンパルナス店である。

 部屋も東京のビジネスホテルとそんなに変わらない。だが,窓からの街並みはその色といい雰囲気といいやはり異質だ。行きなれた米国とも違う……。

 などど,一瞬そんな旅情を感じたものの,すぐに部屋の電話のチェック。旅行先ではいつもこれを始めるため,に同行する恋人や細君に嫌われた仲間の話も聞くが,こればっかりは仕方がない(と思っている)。読者諸氏にもご記憶があるのではなかろうか?

これでまずは安心? 部屋からのアクセスは確保!

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よく見るタイプのホテルの室内電話。背面にデータポートが付いており,電話機からのモジュラーの抜き差しが不要。この電話機のシルエットを見た瞬間に安心するモバイラーも多いとか?

 室内の電話機を見た瞬間に,「あ,これかぁ」と思い安心した。メーカー名は分からないが海外のホテルで安定して通信できるときによく見るタイプの電話機である。データポートも背面に付いている。部屋イーサネットのコネクタこそないものの,これがあれば十分である。

 海外モバイラーの友,「モデムセーバーLT」で見たところ極性,電圧共に完璧である。So-netの国際ローミングも問題なくつながり,まずは,飛行機の中で書いた原稿を編集部に送るのとメールのチェック。56kbpsで快適に接続された。

 今日は少々疲れたこともありひと休みし,その後活動を開始しようと思う。なお,ホテルにチェックインしたのは食事をとっていたこともあり現地の午前10時。この原稿を現在書き終わろうとしているのが午後3時。そして……。

 ガイドブックに書いてあったことを鵜呑みにするなら,日が沈みいわゆる「夜」の雰囲気になるのは午後10時過ぎとのこと。どうも今日は,それを確かめる時間まで起きていられそうにない。この原稿を書き終えたら寝てしまうだろう。

[奥島 大,ITmedia]

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