Trium Marsレビューと,大人の携帯文化──旅先携帯日記:フランス編

本連載も「フランス編」はこれで最終回です。最後は現地で購入したTrium(三菱電機)製携帯電話のレビューと,6日間の旅程を振り返りながら雑感です。お役にたつ話はありましたでしょうか?

【フランス発】 2001年8月16日更新

14日 Trium Marsレビューと,大人の携帯文化(モンパルナス〜CDG〜成田)

再び機内へ - Trium Mars レビュー-

 またもや機上である。14日の夜11時にシャルルドゴール空港を出たエールフランスの機内では,日本人と思しき人々がいろいろな電子機器と戯れている。筆者もその1人である。ここで書きあげた原稿は,15日に成田に到着した直後に送信する予定だ。

 そういえば,まだ書いていないこともあった。現地で購入した電話機であるTrium(三菱電気)製の携帯電話Marsのレビューだ。今後も取り上げるときがあるかもしれないが,簡単に紹介しておこう。

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デザインはとてもおとなしい。大人っぽい雰囲気?

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SIMの格納場所がGSMであることを主張している。また,電池はイマドキ日本の携帯には見られないニッケル水素。バッテリーの持ちも待ち受け2日,といったところだ

 まず,本体の配色は黒が基調である。大人っぽい,というか,日本でのぴかぴか光る塗装をほどこされた色とりどりのケータイとはあまりに趣が違う。もちろん,AlcatelやNokiaの一部の機種のようにだいぶ奇抜なデザインも現地にはあるが,売れ筋とは違うらしい。機種数も少ない。

 バッテリーはニッケル水素である。同じくZDNet Mobileで絵本智氏が連載している「もばいるのつくりかた」にもあったが,日本ではいまやリチウムイオン電池が全盛だ。

 また,充電器との接続はコネクタ全面を使用するのではなく,コネクタ部のうち電源のピンだけをクリップではさむようにして電力を供給する。全般的にコストを意識した作りになっている。

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このようにクリップではさんで充電する。コスト対策なのだろうか?

 デザインを重視したのかもしれないが全体的にもっこりしたつくりになっており,液晶がボディの表面よりだいぶ奥に位置している。それにより液晶の上部(各種ステータスの表示部)が見えない角度がある。このあたりは国内の携帯電話のほうが細やかにできている。

 また同梱されていたカタログには,いわゆる「ケータイの着せ替え」グッズが公式オプションとして多数掲載されている。このMarsはダイヤル部を覆っているパネルが爪の先で少々ひっかけるとすぐに外れ,取り替え用のカラフルなパネルも販売されているようだ。またラバー製の製品で,本体に「服を着せる」ようにかぶせるオプションも多いらしい。

 ヨーロッパでは主にNokiaのヒットモデルを中心として電話機メーカー自身が「着せ替え」グッズを多数発売している。日本でもKDDIの「C406S」をはじめ,“着せ替え携帯”が人気を博しつつあるが,着せ替えが一般的になっているのは興味深い。

世界の携帯電話

 聞けば,香港などでは日本以上に携帯電話が使用されていると聞く。現地にいる筆者の友人が曰く「こちらでは,“広く,浅く”の人付き合いもあるので,そういう関係を維持するには非常にいいのだと思う。とにかく,映画館の中だろうがどこだろうが,よく使う」とのこと。もちろん,香港はGSM地域である。

 携帯電話は,ある意味で「テレパシー」の発明にも等しい。これまで,電話というコミュニケーション手段は「家」あるいは「公衆電話」という「場所」にくくりつけられたものだった。だが,それで行われるコミュニケーション手段は本来「個人」と「個人」を結ぶものだ。私たちは,既に携帯電話時間も空間も飛び越すコミュニケーション手段を身に付けている。これを手放すことはもはやできない。

 着陸のアナウンスがあった。小さくて精密で,素敵な電子機器と共に暮らす国,日本に帰ることとしよう。ただいま,ニッポン。

[奥島 大,ITmedia]

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