ドコモ,ライブ映像をモバイル動画配信へ――企業向けが中心

NTTドコモは8月28日,米PacketVideoと共同で,複数台のFOMA端末などへ同時にライブ映像を配信するプラットフォームを開発したと発表した。今後FOMA端末にライブ映像配信の実証実験を行う。

【国内記事】 2001年8月28日更新

 NTTドコモは8月28日,米PacketVideoと共同で,複数台のFOMA端末およびドコモのPHSを挿した各種PDAへ,同時にライブ映像を配信するプラットフォームを開発したと発表した。今後さまざまな企業の参加による「FOMAライブ映像配信実験コンソーシアム」を設立すると共に,FOMAビジュアル端末へライブ映像配信の実証実験を行う。

 プラットフォームは,インターネットのストリーミング転送プロトコル「RTP」(Real-Time Transport Protocol)により配信される映像やデータを,FOMA端末に採用されている3GPPのオーディオビジュアル通信規格規格「3G-324M」により映像ストリーミングできるというもの。閲覧するにあたっては,特に端末側でソフトをインストールする必要はない。

 圧縮方式にはMPEG-4を使用しているため,NTTドコモのPHSを挿した各種PDA端末などにも配信が可能。この場合,閲覧するにはPacketVideoの「PVPlayer」がインストールされている必要がある。

 9月20日にはFOMAライブ映像配信実験コンソーシアムも設立予定で,NTTドコモが事務局を設置して定期的に会合を行う。幅広い分野の企業と協力して,FOMAのライブ映像配信のための実証実験プラットフォームを検証し,各種アプリケーション・サービスを開発するのが狙いだ。

「ライブ映像配信」はBtoBが中心

 実証実験は10月1日から2002年2月28日まで行われる。上記のプラットフォーム上で,各種企業がリアルタイム映像およびアーカイブ映像の配信を行い,市場性および技術面の検証,評価を行う。

 現在参加を予定している企業は31社。想定されるアプリケーションとしては,綜合警備保障の「留守宅監視サービス」や東京ガスの「ガス機器監視・保守サービス」,それに日本アイ・ビー・エムの「社内情報配信」や帯広畜産大学の「大動物監視サービス」など。全国朝日放送網の「ライブ中継サービス」などもあるものの,全体的にはBtoB的なサービスが多いようだ(詳しくはドコモのリリースを参照)。

 通信方式は回線交換となっており,閲覧にあたってはNTTドコモ対して通信費が発生する。情報料については「NTTドコモがiモードのように課金代行を行うことはない」(NTTドコモ)としており,映像を配信する各社にゆだねられる。

 ドコモは現在モバイル動画配信として,M-stage visualを提供している。今回,このプラットフォームを通じて,さらにライブ映像配信サービスに力を入れることになる。

[杉浦正武,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!