FOMA端末,年内にはiモーション対応,来春にはPDA型も

10月1日に本サービスが開始されるFOMAだが,その数カ月後にはiモードの動画サービス「iモーション」に対応した端末が登場する。

【国内記事】 2001年9月3日更新

 NTTドコモは9月3日,FOMA本サービスの料金体系など詳細を発表した(料金についての記事参照)。併せて,本サービスで提供する端末についても説明した。

FOMAはつながるか?

 試験サービス当初は「つながらない」「回線が切れる」など品質に対して厳しい反応の多かったFOMAだが(6月5日の記事参照),「端末およびネットワークについて,システムの安定化が図られた」(NTTドコモの立川啓二社長)とし,今回本サービスに踏み切る。

 試験サービス中もコアネットワークの改修にはじまり,端末自体も回収交換を行うなど,品質向上を行ってきた(7月16日の記事参照)。

 NTTドコモ常務取締役ネットワーク本部長の津田志郎氏によると,当初約50%だった接続率に関しては「約95%まで向上した。PDCと同等まで持ち上げるには時間をいただきたい」と説明する。通話中の切断率も試験サービス開始時の半分程度に改善された。

 基地局に関しては,「FOMAでは約500局の基地局で本サービスの開始を迎える。ほかにビル内にも30局ほど設置する」(津田常務)とし,現行のPDCがサービスを開始した際の130局を引き合いに出した。ただし,現在のPDC網は1300局(加えてビル内対策などに600局)が設置されており,FOMAがこの域に達するにはかなり時間がかかりそうだ。

 またFOMAでは2GHz帯を利用するため,従来の800MHz帯に比べて屋内に電波が届きにくい。PDC網では,ビル内や地下街に設置できる小型の基地局が既に開発されているが,「FOMAでは現状の(屋外向けの)設備を利用する。トラフィックの多いところを中心に設置していく」(津田常務)予定で,基地局の小型化はこれからだ。エリアは拡大していくものの,屋内の利用に関してはFOMAの今後の課題の1つだ。

端末は試験サービスと同じ3機種

 本サービスで提供される端末は,試験サービスと同じスタンダードタイプの「FOMA N2001」,ビジュアルタイプ「FOMA P2101V」,データタイプの「FOMA P2401」の3機種。N2001は2色が提供され,ディスプレイも有機ELパネルが搭載される(7月19日)。

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 NTTドコモ常務取締役営業本部長の野村秀樹氏によると,初期出荷台数は「スタンダードタイプが2万台少々。ビジュアルタイプは数千台。カードタイプも数千台。半分くらいは法人に使ってもらえると思っている」という。

 価格については「今のPDCよりは高くなる。スタンダードタイプでは(503iシリーズに比べて)3割〜5割増し。ビジュアルタイプについては倍近くになる」(野村氏)と説明し,スタンダードタイプで4万〜5万円,ビジュアルタイプでは6万円近い市場価格になることを示唆した。

年内にも端末はリニューアル

 当初予定されていた機能のうち,採用が見送られたものもある。試験サービスでは提供されていた映像配信サービス「M-stage visula」がそれだ。「利用状況を聞いて,10月1日の端末ではサービスを見合わせることを決定した。(サービス開始を)あまり強行して使い勝手から問題を起こすよりも,改善するほうがいいだろう」(津田常務)

 パケット通信ではなく64Kbpsデジタル通信を用いるM-stage visualでは「接続時間が長いのが問題」(立川社長)でもある。M-stage visualが利用できる端末は2002年の春に登場する予定だ。

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FOMAの機能拡張ロードマップ。わずかの期間に数多くの機能追加が予定されている。FOMA端末を購入しても,すぐに新機能を搭載した端末が登場するという意味でもある(拡大画像

新機能 端末登場時期
試験サービス同等の3機種 10月1日
iモーション 2001年内
映像・音楽配信,映像メール 2002年春
PDAタイプ 2002年春
PDC/FOMAデュアル(導入未定) 2002年度後半
国際ローミング 未定

 もう1つ,10月1日時点で端末が間に合わなかったのがiモードからパケット通信を使って動画を再生する「iモーション」サービスだ(3月9日の記事参照)。「iモーションは非サポート。端末の準備が間に合わない」(津田常務)

 iモーションをサポートした端末は年末に登場予定。対応すると見られるN2001も「次のバージョンの端末の発売は比較的短期間で。そのときにはディスプレイの材料は(有機ELから)変更する」(津田常務)

 来春,M-stage visual対応と同時期には音楽配信「M-stage music」に対応した端末や,PDA型の端末の投入を予定している。「FOMAの時代になると,もっと高級な端末が出てくる。それは現在のPDAくらいの(大きさの)パソコンだ。FOMAとパソコンとを組み合わせたものを想定している」(立川社長)

 PDCとFOMAを同一の電話番号で利用できる「デュアルネットワークサービス」も2002年までお預け。試験サービスの端末では待受け時間が約30時間と厳しかったが,電池の持ち時間の改良も少々先のことになる。PDCとのデュアル端末はロードマップ上には記載されているが「最終的な導入という決定はしていないが,導入するとしたら2002年度の後半」(津田常務)だという。

[斎藤健二,ITmedia]

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