地方で無線データ通信といえばやっぱりPHS？――1350円で使い放題も

無線で使い放題の環境は，いまや各地で着々と整いつつある。アステルグループは東北地方にも，定額データ通信サービスを拡大する。

【国内記事】

2001年9月11日更新

　使い放題といってすぐ思いつくのは何だろうか？ 大半の人が思い浮かべたのは有線系のサービスだろう。しかし実は，地方部では無線を利用したデータ通信が活躍している。全国で利用可能なAirH"のつなぎ放題サービスはもちろん，アステルグループも自社の光ファイバー網を活用して，PHSをラストワンマイルに使用する安価な定額制サービスを行っている。

東北では月額1350円でつなぎ放題！

　アステルグループの東北インテリジェント通信は，PHSを利用した月額1350円の定額制データ通信サービス「おトーク・どっと・ネット」を開始する。サービスの開始は9月12日からだが，局内工事などの設備が整うのが数日かかるため，実際の開始は早くて17日あたりからになる見込みだ。

　これは32Kbpsの通信速度で24時間つなぎ放題が実現するサービス。現時点で唯一の提携プロバイダとなる＠niftyの時間無制限のプラン2000円と合わせれば，3350円でデータ通信を使い放題の環境が整うことになる。

　対応エリアは仙台から市内通話の対象となる地域で，仙台市，塩釜市，多賀城市，名取市の一部地区。なおエリア外から通信を行う場合，使い放題ではなく従量課金でのデータ通信サービスになるという。

PCにPHSを接続してつなぎ放題に

　既に通信用のPHSを持っているユーザーの場合，量販店などで別売りの接続ケーブルを購入することで「おトーク・どっと・ネット」を利用できる。

　新規加入者向けには端末セットも用意されており，カード型PHSと室内アンテナ「パワーアンテナ」を7000円で購入するセットと，専用PHSとPC接続用ケーブル，パワーアンテナを7000円で購入するセットがあるという。ちなみにパワーアンテナとは直方体で手のひらに乗るサイズのもので，窓際などに設置することで室内の電波状況をより良くする。

　いずれもPCと接続することを前提に考えており，サービス開始前にはあらかじめ主な利用予定場所の電波調査を行う。Macintoshには対応しておらず，Windowsのみの対応だ。

　アステルグループではつなぎ放題のデータ通信サービスとして，同様のサービスを四国地方（2月9日の記事参照）や関西地方（7月18日の記事参照）などで既に開始している。

　都市部ではYahoo!BBをはじめとする有線の定額制通信サービスが開始される一方で，地方ではまだまだ有線系通信インフラの導入は遅れているのが現状だ。アステルの無制限無線データ通信サービスは，そうしたすき間をぬって地方ユーザーにつなぎ放題のサービスを届けている。

[杉浦正武，ITmedia]

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