京セラ,1x対応のPDAを来春発売KDDIが導入する予定の,144Kbpsの通信速度を実現するサービス「1x」に対応したPDAが京セラから発売されることが分かった。京セラの広報に話を聞いた。
京セラは来春,KDDIが導入する予定の高速データ通信方式CDMA2000 1x対応の携帯電話に接続できるPDAを発売する。1xが実現する144Kbpsという通信速度を生かして,プログラムサイズの大きいアプリケーションもダウンロードできる可能性がある。 このPDAは現在のところ,価格,デザインなどは未定。詳しい発売時期も“来春”ということしか分からない。1x対応の携帯電話を接続することで144Kbpsの通信速度が実現するが,ほかの通信サービス,例えばFOMAやカード型PHSなどに対応するかどうかも未定だ。 OSには英TaoのリアルタイムOSである「Elate」を採用。「Elateの一番の特徴はOS自体が軽いプログラミングでできており,Javaが高速かつスムーズに動作するところ」(京セラ広報)だという。Elateについては今年7月に京セラとシャープ,ビクターなどが普及のためのコンソーシアムを立ち上げており,今後京セラはほかの端末にもElateを搭載していく可能性がある。 高速通信を生かした音楽再生,ゲームも期待されるのは高速通信を生かしたアプリケーションだ。京セラ広報は「コンテンツはまだこれからだが,高速通信を生かして大きなサイズのデータをダウンロードできるようにしたい」と語る。 具体的に話が出たのは,音楽配信や,ゲームなどのアプリをネット上よりダウンロードしてくる利用法。KDDIが今秋より開始を予定している動画配信サービスについては,残念ながらPDAで視聴できるとの明確な回答は得られなかったものの,今後が期待されるところだろう。 もちろんPIM機能などは搭載される予定。メールも可能だが,「メーラーとして何を積むかといったことはまだ分からない」(京セラ)という。 総合的に見てエンタテインメント系のPDAになるのかという感もあるが,「エンタテインメント寄りになるかといわれるとちょっと分からない。ターゲットをどこにするかなど戦略的な部分も含めて,検討中」(京セラ)なのだという。なおこのPDAはシリーズ化の可能性もあるといい,今後“機能を限定した端末”と“マルチメディア用端末”をそれぞれ発売するといったこともあり得る。 なぜ,今PDAに参入するのか?現在PDA業界は必ずしも活況に沸いているとう状況ではない。CLIEやVisor,Palm100/105が相次いで値下げを行うなど(9月7日の記事参照),むしろ各社とも消耗戦の様相を呈している。 PDA参入の経緯について京セラはこう語っている。「当社は10年前に,手書き入力ができる小型のコンピュータを販売している。これは片面が液晶で,もう片面にPCカードスロットが2基付いているという,今でいうPDAのようなものだった。しかし残念ながら当時は通信手段がなく,PCカード経由でアプリを追加するという方式をとっており,少し時期尚早なところがあった」 「しかし近年通信速度が速くなり,インフラも整ってきた。今回高速な通信経由でアプリを入手できるPDAとして,もう一度この業界に参入することになった」 高速通信を前提にしたPDA。京セラの言葉を聞いていると,それは通信端末というより,携帯電話の延長線上に位置する端末であるとさえ感じられる。実際,Javaがスムーズに動作するという話からも,ネットワーク経由でダウンロードされるゲームとしてはezplusのようなものが想像されるし,音楽配信にしても現状PHSで行われているサービスに近いのかもしれない。 NTTドコモも,M-stage visualを視聴できるPDAのようなデバイスの発売に言及している(8月3日の記事参照)ほか,先日発売された「sigmarionII」にはFOMA用通信ポートが付属しているなど(8月21日の記事参照),PDAと携帯電話の融合は進んでいる。PDAとは次世代携帯電話の出現とともに,ネットワーク経由のサービスを重視した端末へとそのかたちを変えていくのかもしれない。 [杉浦正武,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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