DDIポケットユーザーには福音のデータセット割引……でもちょっと待って

DDIポケットは10月1日からデータ専用プランと音声通話プランの組合せで大幅な割引を実現する「データセット割引」を開始する。DDIポケットユーザーには確かに魅力的な割引サービスだが,実際に利用したいと思っている人はちょっと待ってほしい。実は必ずしも「お得」ではない組み合わせも存在するのだ。

【国内記事】 2001年9月13日更新

 DDIポケットが10月1日から開始する「データセット割引」は,音声通話プランとデータ専用プランを1対1で組み合わせることで,音声通話プランの基本料金が50%引きと大幅にディスカウントされる割引サービス(9月11日)。既にDDIポケットのPHSを音声通話に利用し,AirH"の導入を検討している人にはとてもお得に思える。

 しかし,組み合わせによっては,必ずしも“お得”とはいえない場合もあるのだ。データセット割引の適用を考えている方は,よく計算してから申し込んでほしい。

基本料金は50%引きだが,無料通話も50%引きに

 音声通話プランとして「標準プラン」を利用している人なら「データセット割引」は確実にお得だ。年間契約と複数割引(一括請求)を併用する前提なら「データセット割引」を利用すれば,標準プランの基本料金は最高745円,最低でも610円お得になる(基本料金は音声通話契約の利用年数で変化する)。

 無料通話を含んだ「スーパーパックS」でも「データセット割引」はお得だ。実質の基本料金(基本料金から無料通話分を差し引いた金額)は最高で355円,最小でも190円お得になる。しかし「標準プラン」と比較するとお得度が下がる。これはなぜか?

 確かにほかのどの割引の組み合わせより「データセット割引」の割引率は高い。しかし無料通話も50%引き,つまり半分になってしまうところがこのからくりだ。

 無料通話を含まない「標準プラン」,また無料通話が1200円分と小さい「スーパーパックS」では「データセット割引」の効果は確実にある。しかし無料通話分の大きい「スーパーパックL」「スーパーパックLL」では,実質基本料金という視点で見ると「データセット割引」を利用した方が高いという逆転現象が生まれてしまうのだ。

【データセット割引を適用した場合の実質基本料金(データセット割引+長期割引)】

 ちなみに「データセット割引」を利用しない場合は年間契約と長期割引で基本料金は最大25%引きになり(3年以上継続利用の場合),複数割引でさらに200円割引になる。もちろん最大での割引率では「データセット割引」に及ばない。

  割引無し 1年未満 1年以降 2年以降 3年以降 無料通話料金
標準コース 2700 1350 1283 1256 1215 0
スーパーパックS 3300 1050 968 935 885 600
スーパーパックL 5000 1000 875 825 750 1500
スーパーパックLL 12000 1000 700 580 400 5000

【さらにAirH"「使い放題コース」と組み合わせた場合の基本料金(複数割引も適用)】

  1年未満 1年以降 2年以降 3年以降
標準コース 6080 6013 5986 5945
スーパーパックS 6380 6298 6265 6215
スーパーパックL 7230 7105 7055 6980
スーパーパックLL 10730 10430 10310 10130

【データセット割引を適用しない場合の実質基本料金(長期割引+年間割引+複数割引)】

  割引無し 1年未満 1年以降 2年以降 3年以降 無料通話料金
標準コース 2700 2095 1960 1906 1825 0
スーパーパックS 3300 1405 1240 1174 1075 1200
スーパーパックL 5000 1050 800 700 550 3000
スーパーパックLL 12000 0 -600 -840 -1200 10000

【さらにAirH"「使い放題コース」と組み合わせた場合の基本料金】

  1年未満 1年以降 2年以降 3年以降
標準コース 6825 6690 6636 6555
スーパーパックS 7335 7170 7104 7005
スーパーパックL 8780 8530 8430 8280
スーパーパックLL 14730 14130 13890 13530

それでも「基本料金」を引き下げるメリットは大きい

 では「スーパーパックL」「スーパーパックLL」では「データセット割引」のメリットがないかといえばそうでもない。とにかく最低限必要な月額費用は小さくなる。

 例えばAirH"の「つなぎ放題」と「スーパーパックL」(年間割引と複数割引を適用し,3年以上の継続利用者)を組み合わせると,「データセット割引」を利用しない場合は8280円/月だが,利用すれば6980円/月と1300円安い。前者のほうが無料通話分が1500円多い分,実質の基本料金は安い換算だが,これは「スーパーパックL」で最低2800円分以上通話や通信を行った場合の話だ。

 「スーパーパックL」を利用しているが,無料通話の3000円を使い切らないことも多い,といった人なら「データセット割引」を利用したほうがリーズナブルになる可能性が高い。少なくとも無料通話分を無駄にする可能性は低くなる。

 また継続利用が1年未満のユーザーの場合,「スーパーパックL」の場合でも「データセット割引」を利用したほうが実質基本料金は50円だが安い。

 「スーパーパックS」のユーザーが「データセット割引」を利用するなら,「スーパーパックL」に契約変更する手もある。基本料金は最低で765円,最高で850円高くなるが(年間割引は適用),無料通話は600円から1500円と900円分増える。「スーパーパックL」にすればメール割引が適用されたのと同じことになるから,更に300円分得になる計算だ。さらに通話料金の“標準に対して1.2倍”も適用されなくなる。

 「データセット割引」の恩恵を受けるのはDDIポケットユーザーに限定されるし,長期に渡ってDDIポケットを利用しているユーザーには必ずしもお得とは言い切れない部分もある。しかし毎月最低限支払わなければならない基本料金を低く押さえることができるメリットは大きく,実際かなり格安となる組み合わせもある。

 携帯電話ユーザーでもAirH"の導入を考慮している人は多いだろう。PDCの音の悪さに閉口している人は,携帯電話を着信用と割り切って基本料金の安い料金プランに変更し,「データセット割引」を活用してAirH"と共に音声通話用としてのPHSの利用も考慮してみてはいかがだろうか。

[坪山博貴,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!