同時多発テロの影響,KDDI米子会社の通信サービスに障害

米国を震撼させた同時多発テロは通信事業にも影響を及ぼした。KDDIの米国子会社は通信事業に障害が発生し,依然として復旧していない。

【国内記事】 2001年9月14日更新

 KDDIは9月14日,子会社である米TELEHOUSE America のニューヨークでの企業向け通信サービスに障害が起きたことを発表した。

 TELEHOUSE Americaは,テナントビルのフロアなどを借りて顧客となる企業の通信施設を収容し,保守・運営を行う企業。今回,ニューヨークブロードウェイセンターにおいて電源供給が止まったため,企業向けの専用線などで通信障害が生じた。なお,この件による公衆回線への影響はない。

いったんは大丈夫かに見えたが……

 初めに同時多発テロの影響が起きたのは日本時間(以下同じ)12日5時36分。ニューヨークブロードウェイセンターへの商用電源が停止したため,同センターでは直後に自家発電に切り替え運行を続行した。

 自家発電装置用の燃料不足が懸念されたが,ニューヨーク市当局および日本関係官庁の協力で,燃料の給油が行われた。しかし今度は,長時間フル稼働させたせいか自家発電装置自体がオーバーヒート。給電を停止せざるをえなくなり,14日の6時37分,通信障害が発生した。

 現在,現地にはエンジニアが到着しており,対策を検討中とはいうものの,復旧の時間は未定だという。現在影響を受けているのは国際専用線46社104回線,国際FR/ATM回線44社125回線,DIONゲートウェイ回線3回線,映像回線6回線だという。

これほどの事態は想定外

 今回,自家発電という非常用の対策がとられていながら通信障害に至ってしまった経緯について,KDDIは「これほどの事態は予想していなかった」と語る。

 「自家発電といっても,これは商用電源が落ちたときにいったん使用するものであって,電源がこれほど長く復旧しない事態は想定外。結果,自家発電装置を使いすぎることになってしまった」(KDDI広報)

 一時は政府の援助が得られたにもかかわらず,結局通信はダウンしてしまった。災害状況によっては,通信インフラもさまざまなかたちでダメージを受けるということだ。現在,KDDIでは「商用電源の復旧を待つと共に,迂回ルートの設定などについて調整中」であるとしている。

[杉浦正武,ITmedia]

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