操作の簡単さはPalmデバイスっぽい? カシオのPDA「ラジェンダ」がWORLD PC EXPO 2001で初公開

カシオ計算機は,10月20日より発売予定のライトユーザー向けPDA「カシオペア“ラジェンダ”BE-500」を,WORLD PC EXPO 2001の同社ブースで初公開した。同製品はWindows CE 3.0ベースのオリジナルシステムを搭載,CFカードスロットを搭載したライトユーザー向けPDA。シンプルなメニュー構成やインタフェースはPalmデバイスに似たところもある。

【国内記事】 2001年9月21日更新

 カシオ計算機は,10月20日より発売予定のライトユーザー向けPDA「カシオペア“ラジェンダ”BE-500」 (以下,ラジェンダ) を,WORLD PC EXPO 2001の同社ブースで初公開した。同製品はWindows CE 3.0ベースのオリジナルシステムを搭載,CFカードスロット Type IIを搭載したライトユーザー向けPDAで市場予想価格は3万5000円前後。「グラファイト コスモ」「スパークル」,限定カラーの「コバルト」の3色が用意される。

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WORLD PC EXPO 2001で初披露された「ラジェンダ」

 ラジェンダは,スケジューラ・住所録・メモ・ToDoをはじめとするPIM機能,メールやWeb閲覧といったインターネット機能,動画 (独自のCMF形式対応) ・音楽再生 (MP3形式対応) 機能などを搭載したコンシューマ向けPDA。OSに組み込み型Windows CE 3.0を採用しており,インストールされているソフト群は自社開発によるもの。スケジューラとメーラーが連動するなど,自社開発ならではの便利な機能も装備されている。WindowsライクなPocket PCのインタフェースに比べると,PDA初心者への敷居は低い。

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シンプルなトップ画面

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ラジェンダに対応予定のMPEG-4ビューワ,PacketVideoのPVPlayer

●シンプルな操作性と容易なカスタマイズが特徴

 マシンを起動すると,インストールされているソフトの名前が並んだトップ画面が表示され,ここから利用したいソフトをタップするだけでソフトが立ち上がる。また,ディスプレイの下にはメールやインターネット,スケジューラ,メモなど使用頻度の高い7項目のアプリケーション起動アイコンが用意されており,ここからソフトを起動させることも可能だ。

 アプリケーション起動アイコンやトップ画面からソフトにアクセスできるため,PDAとしては珍しく本体のボタンにアプリケーションが割り当てられていない。本体正面には,トップメニューを表示する「トップメニューボタン」,PCのエンターキーに相当する「OKボタン」,エスケープキーに相当する「ESCボタン」,電源をオンオフする「電源ボタン」,画面上のカーソルを動かす「カーソルキー」の5つのボタンが付いている。

 本体の内蔵メモリにFlashメモリを採用しているのも特徴の1つだ。「使用頻度の低いソフトを削除できるため,必要なソフトだけを入れておくといったカスタマイズができる。再度入れたい場合はCD-ROMからインストールするだけ」 (カシオ説明員)

 ラジェンダに付属するソフトはすべてカシオ製のものとなっているが,今後,ラジェンダで利用できる他社製のソフトも開発予定があるという。「Windows CE 3.0対応のソフトをラジェンダで利用できるようにするためには,開発者に若干手を加えてもらう必要がある。カシオでは,8月末に開発者カンファレンスを行ったが,100社が参加,ラジェンダ対応ソフトの開発に前向きな姿勢を見せてくれた。今後リリースされる他社製のラジェンダ対応ソフトはポータルサイトで紹介し,ダウンロードできるようにしていく」 (カシオ説明員)

 具体的には,CMF対応の動画形式をサポートしたビューワしか搭載されていないラジェンダでMPEG-4再生を可能にするビューワや,PCやMacintosh用の電子ブックビューワとして有名なボイジャーの「T-Time」が用意されるという。

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ブースではラジェンダ上で動く「T-Time」のデモが見られる

●CFカード型PHSに対応,周辺機器も続々登場予定

 ラジェンダにはCFカードスロット Type IIが装備されており,NTTドコモとDDIポケットから発売されているCFカード型PHSへの対応が予定されており,発売までには動作確認を行うという。56Kモデムカード,10/100BASE-T LANカード,GPSカード,Bluetoothカードにも順次対応予定だ。

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対応予定のキーボードやBluetoothカードも参考出品されている

 周辺機器もさまざまな製品の発売が予定されている。ラジェンダでPCカードを利用可能にする「PCカードユニット」 (1万8000円) ,本体と合わせて利用することで18時間の稼働を実現する「外部電源パック」 (8000円) ,カラフルな「フリップカバー」 (800円) などが同時発売される予定となっている。

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製品と同時に発売予定のPCカードユニットと外部電源パック

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カラフルなフリップカバーやケースも発売される

 実際にラジェンダを操作してみたところ,シンプルなメニューのせいか,直観的に操作でき,初めてPDAに触れる人でも使いやすそうな印象を受けた。これだけの機能を搭載して予想価格が3万5000円前後というのも魅力的。ちょっと大げさに言えば,機能面で対抗となるのはシャープのザウルスMI-E21,操作面で対抗となるのはPalmデバイスといったところだろうか。これからPDAの導入を考えているユーザーの新しい選択肢としてなかなか面白い製品だ。

[後藤祥子,ITmedia]

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