WAP2.0で何が変わったのかWAP2.0では,HTTP,TCP/IP,HTMLといったインターネットの技術が全面的に採用される。そしてWMLはオプション扱いになった。
WAP2.0の導入で,モバイルコンテンツ作成はどう変わるのか? NTTドコモがWAP2.0への将来的な移行を表明したのに加え,KDDIも12月からWAP2.0を全面採用する。WAP2.0で何が変わったのか。そしてWMLはどうなるのか。 オープンウェーブ主催の技術セミナー「unwired universe japan 2001」では9月27日,「WAP2.0の概要と移行」というタイトルで講演が行われた。 オープンウェーブシステムズ開発本部プロダクトマネジメント テクニカルプロダクトマネージャーの常山宏章氏 WMLはオプションにWAP(Wireless Application Protocol)とは,携帯電話に代表される無線端末からインターネットにアクセスするためのプロトコルだ。1997年にオープンウェーブの前身であるUnwired PlanetがEricssonやNokia,Motorolaと共にWAPフォーラムを設立し,世界標準として仕様を策定してきた。 「当時はワイヤレスは特殊なものであって,インターネットの技術を持ち込むのは難しかった」(常山氏)という状況の中,プロトコルスタックやコンテンツ記述言語も無線環境に最適化されたものが採用された。国内でもKDDIがWAP(正確にはUnwired Planet策定のHDML)を採用している。 しかし多くの技術革新,そして特に日本のiモードの成功が,新しいWAP,WAP2.0の仕様に大きく影響を与えた。iモードでは当初からインターネットと同じようにTCP/IP,HTMLをベースにしており,WAP2.0ではインターネット技術をベースに作り直された。 結果的に,従来のWAPの仕様の多くはオプション扱いになってしまっている。WAP1.xではHTMLではなくWMLという記述言語を用いるが,WAP2.0ではWMLエクステンションというオプションになってしまった。「WMLエクステンションは特殊なもの。後方互換性を趣旨としている。キャリアやCPの判断を待つところだが,対応にはブラウザ側の実装が必要」(常山氏) オープンウェーブでは,小さなディスプレイサイズ,短いバッテリ寿命という携帯機器の特性を挙げ,「WMLエクステンションは解の1つではないか」(常山氏)と説明するが,語る声にも苦しさを感じた。 プロトコルは完全にインターネットベースにWAP1.0ではゲートウェイサーバが大きな役割を持っていた。ゲートウェイサーバと端末の間では特殊なプロトコルが使われており,ゲートウェイサーバがインターネットのプロトコルを全部変換していた。「WAP2.0では若干のオプティマイズはあるが,基本的にはTCP/IP」(常山氏)。 ドコモが「(WAP2.0は)ドコモの提案を全面的に取り入れた」と語る通り,プロトコルスタックにしてもiモードにそっくりだ(8月2日の記事参照)。
また,記述言語は「HTMLのXML版」(常山氏)といわれるXHTML Basicを用いる。
ゲートウェイサーバはやはり必要WAP2.0の特徴的なところはプッシュとパーソナライゼーションだ。「プッシュをアーキテクチャーの重要な部分として認識している」と常山氏は説明する。また,UAProf(User Agent Profile)が仕様に入り,端末のディスプレイサイズやユーザーの設定などをリクエスト時にサーバに送るようになった。これによって,コンテンツプロバイダはユーザーに合わせてコンテンツを整形して送信できるようになるという。 端末とWebサーバとの間には,WAP2.0でもゲートウェイ(プロキシ)サーバが介在する。WAP2.0ではTSL(SSL)を採用し「エンド・ツー・エンドでセキュリティが確立されたとはいえ,プロキシには大きな役割がある」(常山氏)という。 例えば,ゲートウェイにDNSのルックアップ機能を持たせて端末の負荷を軽減したり,キャッシング,画像や文字コードの変換などが想定される。また「加入者の情報はIPアドレスだけではないので,そうした情報にもとづいたコンテンツを提供する」(常山氏)ためにもゲートウェイサーバが活躍することになる。 WAP2.0の次のバージョンでは,位置情報を取り扱うための仕様が盛り込まれたり,スクリプトの導入が予定されている。「WAP2.xではECMAScript(JavaScript)を入れ込んでいく」(常山氏) [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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