メールは音声とも連動して「MMS」へ向かう?――unwired universe japan 2001

メールは,文字による単純なコミュニケーションからさらなる進化を遂げようとしている。オープンウェーブシステムズが描くマルチメディアメッセージサービスを見てみよう。

【国内記事】 2001年7月19日更新

 オープンウェーブシステムズ主催の技術セミナー「unwired universe japan 2001」で9月26日,同社営業本部のセールスエンジニアリング部,丹波廣寅ディレクターが「モバイルメッセ―ジングの革新」と題する講演を行った。

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 同社がメッセージサービスに必要なものとして掲げるのは3つ。「Any Device」「Any Media」「Multiple Persistent Models」だ。あらゆるデバイスで,あらゆる対話方式で,そして生活へ密着したメッセージングが重要だという。

電子メールを電話から確認できる「Unified Messaging」

 この方針のもと同社が開発したのが,「Openwave Unified Messaging」だ。これはサーバ上に用意される1つのメールボックスに入ったデータを,さまざまなデバイスから,さまざまな方法でアクセスできるようにするサーバソフトウェア。同ソフトはネットワーク面でCisco Systemの「AS5300ゲートウェイ」と統合して利用するもので,米ZoomTownなどで導入が進められているという。日本でも通信サービスプロバイダを対象に提供を考えており,現在日本語化した製品を開発中だ。

 Unified Messagingはテキスト文書を音声で読み上げることなどを可能にする記述言語「VoiceXML」ベースのアーキテクチャを持っているため,音声アプリケーションと連動させることが可能。

 たとえば電子メールの内容を携帯電話から音声で読み上げさせて確認したり,逆に音声で吹き込んだ内容を文書化することもできる。

 「通常電話に依存する音声データも,IPアドレスに転送して文書形式にすることができる。ほかにも予定表などの情報を送ってテキスト形式で読み上げることが可能なほか,FAXもメールボックスで受けることができる」(オープンウェーブシステムズ)

 このサービスを使えば,外出先でも携帯電話から音声でメールチェックができ,そのまま留守電を吹き込むように相手のメールボックスにメールを送ることが可能だ。現在行われているテキスト形式のメールから,より進化したサービスとなる。

対応デバイスは未定

 とはいえこのサービス,先に述べたように日本では特にサービス開始のめどが立っているわけではない。会場ではUnified Messagingに対応する端末についても質問が上がったが,丹波ディレクターは「端末側は正直よく分からない」と回答。「今後端末ベンダーと協力していきたい。オープンウェーブシステムズはサーバ側を担当する」(丹波ディレクター)と述べるにとどまった。

 携帯電話のメールはいまやユーザーの生活の一部になりつつある。次世代携帯では動画などのリッチコンテンツも実現するが,携帯電話の本来の用途はやはりコミュニケーション。Unified Messagingのようにメール部分を強化したサービスが普及し,メールが「MMS」(Multimedia Messaging Service)へと移行していくことを望むユーザーは多いに違いない。

[杉浦正武,ITmedia]

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