冬にはCDMA2000 1x端末が登場?

KDDIはCDMA2000 1xの導入を2002年4月に延期した。しかしCDMA2000 1x端末は現状のcdmaOneネットワークと互換性があるため,端末は当初の予定通り年末から年明けにかけて出荷されるのではないか,という予測がある。

【国内記事】 2001年9月28日更新

 次世代携帯電話サービス「CDMA2000 1x」を2002年4月に延期すると発表したKDDI(9月20日の記事参照)。しかし「年末商戦に向けてCDMA2000 1x端末が出てくるのではないか」と予測する調査会社がある。

当初の端末出荷予定は年末

 これはオープンウェーブ主催の技術セミナー「unwired universe japan 2001」で9月26日,矢野経済研究所の電子システム産業調査本部,賀川勝氏が語ったもの。

 矢野経済研究所ではKDDIの発表直前に,「IMT-2000携帯電話ではCDMA2000が先行する」という2001年度の移動体通信市場調査結果を発表したばかり(9月12日の記事参照)。この講演では調査結果を踏まえ,市場予測が語られた。

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矢野経済研究所が調査したIMT-2000規格携帯電話の市場予測

 この調査では,2001年度(2002年3月まで)のIMT-2000規格携帯電話の市場シェアは,NTTドコモのFOMA(W-CDMA)が30万台なのに対してCDMA2000が70万台,と予測されていた。KDDIがCDMA2000 1xの導入延期を発表したことで,どう予測が変化するかに注目が集まったが,「この数字を変えるつもりはない」と賀川氏は語った。

 賀川氏は,「CDMA2000 1x端末は年末から年明けにかけて出荷の予定だった。(CDMA2000 1x端末は)1x方式の通信が使えなくても,cdmaOne端末として使える」と,CDMA2000 1xが完全な後方互換性を持っていることを指摘。

 そのため,「KDDIも,端末が納入されるのであれば,年末商戦に向けて(CDMA2000 1x端末を)出してくるのではないか」と予測する。

 KDDIの発表の直前には,三洋電機もKDDI向けが有力だという次世代携帯端末を「年内を目標に開発中」と語っている(9月20日の記事参照)。

互換性の高さもCDMA2000 1xの強み

 CDMA2000 1xは高速なデータ通信速度を実現する,cdmaOneの後継技術。国内ではKDDIが採用を予定しており,下り最大144Kbpsのパケット通信が可能になるとされている。

 対応するQualcomm製のベースバンドチップセットはCDMA2000 1xとcdmaOneの両方に対応しているため,すべてのCDMA2000 1x端末がcdmaOne端末としても利用できる(7月23日の記事参照)。この点が,まったく新しい通信方式を採用し従来のPDCネットワークとは互換性のない,NTTドコモのFOMAと大きく異なる部分だ。

 CDMA2000 1x延期の理由を,KDDIは「インフラ部分のソフト開発の遅れ」と説明しており,端末側に問題はないようだ。

 KDDIは12月に位置測位機能gpsOneやMPEG-4の動画再生をサポートした端末を投入するが,gpsOneを導入するには端末のベースバンドチップセットを変更する必要がある。当初CDMA2000 1xをターゲットに開発を進めていた端末メーカーにしてみれば,“わざわざgpsOne機能やMPEG-4再生のためにcdmaOne端末を開発するよりは,来年4月に向けてCDMA2000 1x用チップセットで開発する”とも考えられる。

[斎藤健二,ITmedia]

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