案外つながるぞ,FOMA──都心部で通話テストFOMAの受信状況,通話品質はどうだろうか。サービス開始初日の10月1日,「N2001」を使い,通話とiモードのテストを行ってみた。都心部では予想以上に安心して使えるようだが,いくつかの問題も。
NTTドコモのFOMAが登場した。5月に試験サービスを開始してから3カ月。試験サービス当初は通信状況にかなりの問題を抱えていたFOMAだが(6月5日の記事参照),本サービスを迎えて状況はどのくらい改善されているのだろうか。 雨の中,「FOMA N2001」を使って,いくつかの環境でテストしたところ,以下のような傾向が見られた。
屋外は基本的にOK新宿,渋谷,霞ヶ関,大手町,東京,赤坂および山手線の各駅近辺で通話状態をテストしたところ,多くの場合問題なく通話が行えた。cdmaOneやJ-フォン,ドコモの503iなどと比べても,見通しのよい場所では電波の感度もよく,通信状況に違いは感じなかった。 一部,建物の陰や地下などでは圏外になる場所もあったものの,高層ビルのエレベータの中など,J-フォンや503iが圏外になるような場所でもFOMAは通話可能。FOMAの2GHzと503iの800MHzという周波数帯の違い,そしてPDC方式とCDMA方式の違いが出たのかもしれない。 【屋外】
【屋内,地下】
問題点として痛感したのは,“受信感度が全く当てにならない”こと。屋外はまず大丈夫だが,建物の陰,半地下,建物内の場合,受信感度が「圏外」〜「3本」までを頻繁に行ったり来たりする。3本出ているので通話を試すとつながらず,表示が圏外に変わったりすることがたびたびあった。 いったんつながると,多少移動しても途切れることは少なかった。実際,高速に移動する乗り物の中で10分程度の連続通話を試してみたが,クリアな通話が可能だった。 しかし,つながったまま受信感度が悪化して警告のアラームが鳴り始めると,電波状況のいいところへ移動しても感度はまず復帰しない。 ちなみに受信感度はPDCと同様のデザインのアンテナマークで表示されるが,「圏外」「1本」「3本」しか表示はないようだ。「P2101V」の説明書によると,3本が強,1本が弱,電波が届かないところでは圏外,だとある。N2001でも0本や2本という表示は一度も見ることがなかった。 通話品質は良好試験サービス時には,数分の通話の後で突然途切れてしまうことがあったが,本サービスではそうした現象はほぼない。通話品質も良好で,KDDIのcdmaOneよりもクリアな印象を受けた。 受信感度が悪い場合,多少ノイズが乗ることもあったが,通話可能なエリアでは基本的に満足いく音質だ。cdmaOneのほうが“音質が落ちても切れない”印象が強く,FOMAは“音質が悪くなると切れる”といった雰囲気。 つながると速いが,つながらないiモード最大384Kbpsといわれるパケット通信を使ったiモードサービスは快適。従来のiモードサービスのように表示に手間取ることなく,一気にページをダウンロード,表示された。特に大きな画像を使ったページは,じっくりダウンロードされる従来のiモードと,瞬時に表示されるFOMAは対照的。 ただし,iモードの接続には従来のPDCと同じくらい時間がかかる。そしてFOMAはカバーエリアが狭いせいか,移動すると頻繁にiモードが切断される。通話が途切れない程度の移動でも,iモードだけが切断されてしまうのが印象的だった。 またiモードサイトでリンクをクリックしてから,実際にページがダウンロードされ始めるまではかなりのタイムラグがある。おそらく各iモードサイトのWebサーバの反応が遅いためだろうと推察される。 サーバが軽く,画像をふんだんに使ったサイトではFOMAの通信速度の力をふんだんに発揮できそうだ。ただし文字中心のiモードサイトでは,待ち時間のほとんどは実はサーバが原因。FOMAでも普通のiモード端末でも大きな違いは感じなかった。 実用に耐え得るエリアと品質。問題は……今回のテストではドコモのPDC,J-フォンのPDC,KDDIのcdmaOneも同時に持ち歩いて検証したが,さすがに通話エリアの広さでは従来の機種に分があった。しかし,FOMAは都心部では十分実用に耐え得るカバーエリアを持っているといえるだろう。 懸念された地下や建物内もかなりカバーされている。新宿や渋谷など大都市の地下では,cdmaOneやJ-フォンが入るところならFOMAも入ることが多かった。逆にFOMAのみ通話できて,cdmaOneやJ-フォンでは通話できないところは見つけられなかった。 問題としては,「圏外」〜「3本」まで受信感度の変動が大きいことを挙げたい。通話可能なエリアだと思っていても着信できなかったり,さっきまで通話できた場所が「圏外」になってしまったりする。いったん通話状態になれば,移動しない限り切れることはなかったため,電話をかけるほうは問題なさそうだ。しかし待ち受けのほうには不安も残る。 またバッテリー動作時間の短さも課題の1つ。N2001でも「P2101V」でも通常2つのバッテリーが付属するなど,55時間という待ち受け時間の短さはネックだ。 本サービス開始後とはいえ,端末も完璧とはいえないのかもしれない。テスト中N2001がハングアップし,全く操作を受け付けない状況になったことが3度あったことを報告しておく。 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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