携帯にGPS,そして方位磁石まで──CEATEC,KDDI

“歩行者ナビ”は12月には実現するかもしれない。KDDIが12月に発売する新端末では,GPS衛星を使った位置測位機能が盛り込まれ,さらには方位磁石まで内蔵した端末も登場する。

【国内記事】 2001年10月4日更新

 KDDIが12月投入に向けて用意している新端末には,WAP2.0や動画配信,EZweb64Kbps化など多くの機能が標準装備される(10月2日の記事参照)。その中でも,次世代の有力サービスとして高い期待が持たれているのが,gpsOne(用語)による位置情報システムのサポートだ。

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10秒程度で情報を表示

 12月に登場するKDDIの新端末には,すべてにGPS衛星などを利用して位置情報を取得する「gpsOne」機能が搭載されている。KDDIではこの機能を「eznavigation」と呼んでおり,位置情報を利用したさまざまなアプリケーションが利用できるとしている。

 この位置情報は「ezpulus(Java)やEZwebから利用可能」(KDDI)で,会場ではシーマンのezplusを使ったデモンストレーションも行われていた。

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 CEATECのデモでは「会場が屋内のため」(KDDI)実際の測位は行われず,あらかじめ位置情報が入れ込まれたアプリケーションが使われたが,本来のgpsOneは屋内でも電波さえ届けば測位が可能。

 測位にかかる時間は「アプリケーションが画面を表示するまでで10秒程度。衛星の捕捉については数秒」(KDDI)で終了する。gpsOneでは測位計算をネットワーク上のサーバが行うため,高速化と端末の小型化が可能になった。

誤差は平均で8メートル程度

 通常GPSを使った位置の測位は,屋外でGPS衛星を3つ以上捕捉する必要がある。しかしgpsOneでは屋内など,十分に衛星が捕捉できない状況でも測位が可能になっている。

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 GPS衛星が十分に捕捉できるところでは,GPSのみを使う。KDDIが青山付近で試験した結果によると,最小誤差は0.7メートル,最大誤差は31.9メートル。平均誤差は8.2メートルという結果だった。

 また屋内などでは,複数の基地局からの情報を元に位置を算出するAFLT方式が利用できる。cdmaOneでは,同じくCDMA方式を利用するFOMAなどとは異なり,すべての基地局の時刻が同期している。そのため,基地局の位置データと時刻データを元に測位が可能になる。KDDIによると,AFLT方式でも誤差100〜200メートルの測位が可能だという。

 ビルの谷間など,衛星が1つ2つしか捕捉できない場合,GPSとAFLTを組み合わせたHYBRID方式が用いられる。

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松下製端末は方位磁石も内蔵

 gpsOneに加えて,新しい試みをしているのが松下製の折りたたみ型端末だ。きょう体内に地磁気センサーを内蔵し,地磁気の強さから方位を検出する。

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松下製端末のデモンストレーション画面。左上に表示されているのが方位磁石。会場で回転してもすぐに北を指し示してくれる

 携帯の画面に地図が表示されても,自分の向きが分からなければ迷ってしまうわけだが,この端末ならばまさに“歩行ナビ”として活躍してくれそうだ。

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松下製端末。ちなみにKDDIブースでここまで動作しているのは,担当者がポケットから取り出したこの1台だけ

[斎藤健二,ITmedia]

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