東芝,2004年開始の「モバイル放送」をデモ展示

「CEATEC JAPAN 2001」会場で,東芝ブースでは2.6GHz帯を使用した「モバイル衛星デジタル放送サービス」がデモ展示されている。運営企業にはトヨタ自動車や富士通など42社が出資する,期待のサービスだ。

【国内記事】 2001年10月4日更新

 幕張で開催されている「CEATEC JAPAN 2001」の東芝ブースで,「モバイル衛星デジタル放送サービス」がデモ展示されている。

 これは2004年1月から開始される予定の,放送衛星を利用して全国に電波を飛ばすマルチメディア放送サービス。複数チャンネルで映像や音楽といった番組が放送される予定で,総データレートは7Mbps以上。視聴にあたっては,専用のモバイル端末を用意する必要がある。

 「2.6GHz帯の電波を使用しており,自動車など高速移動中も受信できる」(説明員)ほか,衛星の電波を「ギャップフィラー」(GF)と呼ばれるアンテナで中継するため,ビル影や屋内でも受信が可能。カーナビなど車載端末と接続したり,PDAや携帯電話などと一体化させることによって,いつでもどこでも放送を視聴することが可能になるという。

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対応端末のモックアップ。極めてシンプルなキー配置になっている。「デザインは参考程度だが,画面はQVGA(320ピクセル×160ピクセル)かCIF(352ピクセル×288ピクセル)でいきたい」(説明員)

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ブースでは仮想的にサービスと同じ環境を再現して,どのくらいの画質になるのかデモが行われている。映像符号化にはMPEG-4を使用

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「いいエンコーダを使えば,もっと画質をよくすることも可能」(説明員)

どんな番組が見れるのか?

 モバイル衛星放送サービスを運営するのは,東芝,トヨタ自動車,富士通,日本テレビ放送網,松下電器,電通など42社の企業が出資してできた,モバイル放送。

 出資企業の中には朝日放送や毎日放送などのテレビ局も名を連ねている。実際の番組は,これらの出資企業の中でコンテンツ制作力を持つところが提供することになりそうだ。

 「番組はストリーミング再生で,有料のものと無料のものを用意する。有料番組だと,料金は300円ほどになる予定」(説明員)。ジャンルはニュース,スポーツ,映画,バラエティ,音楽番組,通信教育,ゲーム配信など多岐にわたるという。チャンネル数は未定だが,「電波をどう分割するかにもよるが,映像のチャンネルなら14チャンネルくらい。音楽だけなら30から50チャンネル用意できるという。

 ほかにも通信キャリアと連携することで携帯電話と受信端末を接続し,双方向通信も行いたい考えだ。

中継アンテナは数百台設置

 無線放送ということで,気になるのは通信環境だ。

 「2.6GHzの電波を使用するため,電波の指向性は強い。テレビなどと違ってパラボナアンテナはいらず,(端末上部の携帯電話のようなアンテナを指差しながら)このぐらいのアンテナで受信できる」(説明員)

 「衛星の電波を中継するギャップフィラーは,数百台設置する予定。どのように設置すれば一番効率がいいのか,調査している段階だ」(説明員)

 現在は銀座にギャップフィラーを設置し,電波が届くかどうか試験を行っているという。放送に使用する衛星は2003年に打ち上げる予定だが,それまではほかの衛星を借りて試験を続ける。サービスははじめ3大都市圏で行われ,需要に合わせて全国展開する予定だ。

[杉浦正武,ITmedia]

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