ACCESSが語る「ネット家電はあくまでスマート」

近未来のネット家電はどうなるのだろうか。全てのネット家電がPCになるという考えもあるが,ACCESSの考え方はどうやら違うらしい。

【国内記事】 2001年10月9日更新

 10月9日に都内のホテルで開催されたACCESS主催の「ACCESS DAY in Autumn」でACCESS副社長の鎌田富久副社長が「ユビキタスネットワーク時代へ向けて」という題で講演を行った。

 講演の中で鎌田副社長はネット家電について言及。ネット家電のソフトウェア今後も高機能化することに触れつつも,「PCのように汎用的進化にはならない」と述べた。

 「(身のまわりの家電が全て高機能化すると,その全てが)PCでいいんじゃないの? とおっしゃる方もいるが,ちょっと違うと思っている。通信インフラが進化し,端末やサーバなどの機能群も進化するだろうが,あんまり太りすぎないようにしたい」(鎌田副社長)

 たとえば現在の携帯電話などは,クライアント側にJavaアプリケーションをダウンロードするなど,端末に負担がかかっている状況だが,「今後機能分担も進化していく」という。家電が全てPC化するのでなく,あくまでひとつひとつの家電に対し必要な機能が最適化して組み込まれる,という方向に進むとのとらえ方のようだ。

ネット家電はPCよりビジネスモデルを作りやすい

 鎌田副社長がすべてのネット家電がPC化しないと言うのには,いくつかの理由がある。1つは,著作権管理がしやすいこと。PCでは簡単にファイルがコピーされてしまうが,専用機だと使用回数や有効期限を設けるなどして,ブラウザを管理しやすいという。2つ目は課金管理のしやすさ。たとえばiモードでは一括して通信事業者が課金代行を行えるほか,携帯電話以外でも家電であれば,ネットカード決済機能などを組み込み可能だという。

 ほかにも,ネット家電に専用のサービスやコンテンツをバンドルできることや,機能を抑えることでより低コストで端末を提供できることなどが挙げられるという。「ネット家電はビジネスモデルを作りやすい」と鎌田副社長は語る。

 ACCESSが描く近未来のイメージでは,家庭内に各種のネット家電が存在し,それらがネットワーク構成を取って連携している。それらがホームゲートウェイサーバによってまとめられているのか,それとも“携帯電話というハブ”を介した家庭内ネットワークの姿をしているのかは,まだ今のところ分からない。

 しかしいずれにせよ,こうした様子が「現実的な話として進んでいることは間違いない」(鎌田副社長)という。ACCESSは個々に進化を続けるネット家電に対し,必要なソフトウェアを一式提供することで,さらなる発展を目指す考えだ。

[杉浦正武,ITmedia]

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