有機ELかTFTか?──携帯ディスプレイの未来携帯のディスプレイにTFTが採用された! と驚いてからまだ1年も経っていない。いまやハイエンド端末にTFT液晶は当たり前で,有機EL採用も目前に迫っている。
ディスプレイの進化は止まらない。来年の携帯電話やPDAには,液晶ではなく有機EL(用語)を使ったディスプレイが搭載されてきそうだ。 三洋電機は有機ELを搭載した携帯電話を展示会でアピールし,製品化も近いと胸を張る。そしてNECは既に有機ELを搭載した携帯電話を発売している。「FOMA N2001」がそれだ(7月19日の記事参照)。 携帯機器向けに期待の高い有機ELディスプレイだが,N2001を試用するなかで,いくつかの疑問点や今後の課題と思われるところも明らかになってきた。携帯ディスプレイの未来は果たして有機ELが担うのだろうか?
FOMA N2001の有機ELは?有機ELの特徴は自己発光型素子であることだ。液晶のようにバックライトやフロントライトで照らす必要がなく,“視野角が広い”“明るく,高コントラスト”“薄型・軽量”を実現できる。
こういった特徴は,一見したところ携帯電話にとって重要な利点に思える。反応速度も速いため,STN液晶のように操作時に残像が残ることなく,動画も快適に視聴できる(9月20日の記事参照)。 しかし反面,問題もある。1つはN2001の有機ELがパッシブ型だということだ。今年のCEATECでは「基本的にはフルカラーのものはアクティブ型」(三洋電機)という声がほとんどで,パッシブ型は小型の単色に限られた。
製品になった有機ELがアクティブ型かパッシブ型かを見分けるのは簡単だ。パッシブ型は画素を順にスキャンしていくので,走査線が出る。「パッシブ型はスキャンして戻ってくるまで光りが消えている(ので走査線が出る)」(三洋電機)。 そのため,リフレッシュレートの低いCRTディスプレイのように画面に違和感を感じる。ちょっと左右に振って見ると,ちらつきがはっきりと分かる。ビデオカメラなどで覗き込んでみれば走査線が写るのでよく分かるはずだ。
正直なところ,N2001の有機ELは長く見ているとどうも眼が疲れる。上下方向はそうでもないが,左右に液晶が振られるとちらつきも激しい。電車の中などで使うのがどうにも辛い。 有機EL技術者によると「スキャン速度を高速化すればいい」というが,そう簡単に実現できることでもないようだ。 モバイルショップ
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