NTT,FOMAと通信できる卓上テレビ電話を発売へ

「せっかくのテレビ電話も,する相手がいない」と嘆いているFOMAユーザーに,通信相手が増えそうだ。NTT東日本が,FOMAと通信できる卓上テレビ電話を発売する。

【国内記事】 2001年10月24日更新

 24日から開催されている「NTT Group 総合展 2001」では,64Kbps通信により「FOMA P2101V」とテレビ電話を行えるテレビ電話機「Moppet」(モペット:仮称)が参考出展されている。参考出展とはいえ実際に動作し,仕様も決定している。11月中旬には発売できる見込みで,価格は10万円を切る程度だという。

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5インチのTFTカラー液晶。モニタ部は見やすいように角度を微調整できる

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街頭に設置された固定カメラの映像。デモ機ではこの映像がMoppetに映し出されていた。実際はFOMAなどからの映像を表示することになる

 Moppetは通常の電話として利用できるほかに,テレビ電話としても利用可能な端末。回線にはISDNを使用し,64Kbpsで通信することになる。電話回線は2チャンネル使用して128Kbpsにすることも可能だが,FOMAが64Kbpsなのでこちらが上限となるという。

 「テレビ電話可能な相手にかけると,端末側で認識してテレビ電話を開始する。映像はビデオなど外部に出力して保存することも可能だ」(説明員)

 NTT東日本ではこれまでもテレビ電話機として「Phoenix mini」などを発売していたが,FOMAとの通信は不可能だった。MoppetではFOMAと通信できるようになったほか,こうした旧テレビ電話との通信も可能だという。

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試しにMoppet同士で接続したところ。FOMAのテレビ電話と同様,右下に相手の顔が表示される(6月29日の記事参照

 端末には,特定の相手からの電話を自動で着信させる「識別着信機能」が搭載されている。逆に,都合の悪い時に映像をオフにする「プライバシーシャッター」機能も備えているという。

メイン用途は,ビジネス向け

 NTT東日本ではMoppetの用途について,いくつか具体例を挙げている。

 1つは,病院における診察に利用するというもの。映像があれば診察にあたり,状況の把握に役立つほか,ろうあ者に対しても手話で状況をやりとりすることが可能になる。

 もう1つは損害保険会社が,コールセンタにMoppetを導入するというもの。顧客が事故を起こした際にFOMA P2101Vから現場を撮影してもらい,コールセンタで状況を把握する。これにより被害状況を正確に把握し,適切な対処方法を指示できるという。

 前述のとおり,端末が10万円弱とやや高めなこともあり,個人が使用するには抵抗があるところ。NTT東日本ではユーザー同士がコミュニケーションに使うというよりは,ビジネス向けに,Moppetを販売していく考えだ。

 とはいえ,Moppetのようなテレビ電話機が普及すれば,FOMA P2101Vのテレビ電話機能が活躍する機会も増える。FOMAユーザーにとっては,多くの事業者の採用を期待したいところだ。

通信方式 ITU-T H.320,3G-324M
適用回線 INSネット64
内蔵モニタ 5インチTFTカラー液晶
内蔵カメラ 1/4インチCCDカメラ

[杉浦正武,ITmedia]

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