デバイス,通信インフラ,アプリ……3拍子揃った今がビジネスモバイルの夜明け

昨年7月に,ビジネスモバイルの普及を目指し,コンパック,ドリーム・アーツ,NTTドコモの3社が立ち上げた「ビジネス・モバイル・イニシアチブ」。本格的なビジネスモバイル市場が立ち上がりつつある現状と今後について事務局長の橋田氏が語った。

【国内記事】 2001年10月30日更新

 10月30日,東京国際フォーラムで「モバイル・ビジネス2001」が開催され,NTTドコモ,コンパック コンピュータ,ドリーム・アーツが昨年発足させたコンソーシアム「ビジネス・モバイル・イニシアチブ」 (BMI) の橋田和夫氏によるワークショップが行われた。

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「ビジネス・モバイル・イニシアチブ」事務局長の橋田氏。既にビジネスモバイル市場は立ち上がりつつあると話す

 通信インフラが整いはじめ,ビジネス利用に耐えうるモバイル機器も登場,ワイヤレスで企業情報へのアクセスを可能にするソフトウェアがリリースされるなど,ビジネスモバイルビジネスモバイルの普及を阻んでいた問題が,ここにきて一気に解決,2001年から2002年にかけて,モバイルビジネス普及の第一波がやってくると橋田氏は言う。

 BMIが発足したのは昨年7月 (2000年7月6日の記事参照) 。発足当時はiモードやPDAとの連携が可能なグループウェア「INSUITE」を持つドリーム・アーツ,IAサーバの販促を進めるコンパック,iモードのビジネスユースでの使い方を模索するNTTドコモという図式でモバイルビジネス推進を図ろうとしていたが,状況は1年で随分変わってきたようだ。

 「この『モバイル・ビジネス2001』というイベントが,今年初めて開催されたことも,モバイルによるビジネスが注目され始めていることの証であり,世の中がこのような動きになってきていることを実感している」 (橋田氏)

BMIが考えるビジネスモバイルの現状と今後

 橋田氏はビジネスモバイルのあり方について「携帯電話やPDAの普及によって,ユーザーがインターネット環境を持ち歩けるようになった。そんなユーザーに向けて,高度な情報管理による効率のよい営業活動を行う方法を考え,市場のニーズにどれだけ柔軟に対応できるかが今後のビジネスの鍵になる。そこに寄与できるのがビジネスモバイルだ」と語った。

 また,ビジネスモバイルの現状について,既存のアプリケーションのワイヤレス対応や,いつでもどこでもセキュアな状態でアクセスできるPDAおよび携帯電話の登場で,今年から2002年にはビジネスモバイルの第一波が来ていることを指摘。しかし,現実にモバイルコンピューティングデバイスをビジネス用途として全社員が利用している企業は4.4パーセントとまだまだ少数だ。

 興味深いのは,モバイルコンピューティングの導入効果について。「非常に効果的」「効果的」の回答を合わせると75パーセントの企業が肯定的だ。導入すれば効果が見込めるにもかかわらず,企業が導入を迷う理由は「デバイス」「ネットワーク」「コンテンツ」の3つだと橋田氏はいう。

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モバイルビジネス環境の全面導入を果たした企業はまだ少ないが,導入結果については満足度が高い

 「従来はPC感覚で使える次世代デバイスがなかった。また,ネットワークも発展途上であったため,インターネットコンテンツや企業情報にアクセスできる手段も限られていた。これからはキーファクターとなる『次世代デバイス』『ブロードバンド&ワイヤレスパイプライン』『セキュアな状態でのコンテンツへのアクセス』が出揃っているので,ビジネスモバイルの普及の下地はできあがっている」 (橋田氏)

 日本では,今秋から来年にかけてPocket PC 2002搭載端末が次々とリリースされ,PHSカード型データ通信カードによるつなぎ放題も実現している。あとは企業がビジネスモバイルに従来システム以上の価値を見いだせるかどうかにかかっている。

[後藤祥子,ITmedia]

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