iモードの将来像──iモーションのイメージ映像も

FOMAでiモーションがどのように使われるのか，サンプル映像が登場。そしてFOMA以外でも，赤外線やBluetoothを活用して，iモードは進化を続ける。

【国内記事】

2001年10月31日更新

　10月30日から東京国際フォーラムで開催されている「モバイル・ビジネス2001」では31日，NTTドコモiモード事業本部iモードビジネス部コンテンツ担当部長の山口義輝氏が講演に立ち，iモードのビジネス利用の事例について語った。併せて「iモーション」の参考映像もデモンストレーションされ，iモードの将来像を紹介した。

3パターンが想定──iモーション

　iモーションは，ドコモが年内に対応端末の発売を予定しているFOMA向けの動画クリッピングサービス。100Kバイト程度のMPEG-4ファイルを使い，動画や音楽の再生が可能になるという（10月30日の記事参照）。

　山口氏はiモーションを「FOMAの特徴は（通信）スピードが速いこと。それを最大限に活かしたものだ」と説明する。しかし“映像が中心”であるかといえば，それは違う。「映像で始まって映像で終わるコンテンツではなく，今までのコンテンツに付加価値を加えるものだ」（山口氏）

iモーションのサービスイメージ。通常のiモードサイトのように基本的にテキストで情報が伝えられ，“現場画像・現場音声などテキストでは伝わらない情報”についてのみiモーションを利用する

iモーションのイメージムービーも流された。サンプルコンテンツに，iモーション対応FOMAから実際にアクセスしているところを撮影したもの。ニュースサイトからリンクをたどると，サッカーのゴールシーンの映像が再生される様子がデモンストレーションされた

　iモーションのサービスパターンは3種類が想定されている。「動画＋音声」の通常の動画なら30秒程度，「静止画コマ送り＋音声」のスライドショーなら30数秒，「音声のみ」なら1分程度の再生が可能だ。

企業がビジネスに生かすiモード

　山口氏は企業がiモードをビジネス向けに導入して成功した事例を多数紹介し，「（これらの事例は）特に最先端の技術を使ったわけではないが，大きく（ビジネスが）変わった」と効果のほどを語った。

バイク便の「DAT Japan」の導入事例。従来携帯電話を使いセンターと会話して配送管理を行っていたが，iモードメールとサーバと連携させて，ライダーにメールにより荷受・配送の指示を出すシステムを作り上げた。これによって，コストは約7分の1に，ライダーによっては100分の1に減ったという。「バイクに乗るので壊れない携帯がいい……ということで（ダット・ジャパンは）独自に耐久試験も行った。その結果NECの端末を採用した」というこぼれ話も

学校で休講情報や就職情報を提供するシステムを導入した事例。立教大学，関西大学，近畿大学，東京電機大学などがiモードを使って「学校に行くまでもなく，休講が分かるようになった」（山口氏）という

携帯がテレビのリモコンに？

　「FOMAに限らず，通常の50xシリーズでも進めていくが……」と山口氏が話すのが，赤外線やBluetoothを使ったPOSレジとの連動や家電機器のコントロールだ。

　現在テレビやビデオ，エアコンなどの家電は，コンシューマIrと呼ばれる赤外線を使って操作できる。山口氏は「（携帯電話に）リモコンの（Java）ソフトをダウンロードすると，テレビやビデオのリモコンになるかもしれない」とiモード端末の将来像を語る。

　既に「P503i」「P503iS」「N503i」「N503iS」は赤外線通信機能を内蔵しており，先日ゲオとインデックスが赤外線機能を使った会員証レスのシステムの実証実験を開始すると発表している（10月23日の記事参照）。

　赤外線通信規格の違いや，Javaから赤外線をコントロールする仕様の決定など課題はあるが，携帯電話で家電をコントロールするのはそれほど難しい話ではないだろう。面倒なビデオの予約も，iモードサイトにある番組表から予約情報をダウンロードし，赤外線やBluetoothでビデオデッキに送信できれば簡単だ。

　FOMAでなくても，まだまだiモードの活用範囲は広い。今後の展開が期待される。

[斎藤健二，ITmedia]

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