携帯電話広告は「ラストワンマイル」?

今,携帯電話が広告のツールとして注目されている。しかしディーツー コミュニケーションによると,その役割はテレビなどのマスメディアとは異なるようだ。

【国内記事】 2001年10月31日更新

 10月31日,東京国際フォーラムで開催されたモバイル・ビジネス2001で,NTTドコモの携帯電話向けに広告サービスを行うディーツー コミュニケーションズの藤田明久社長が,携帯電話を利用したマーケティングについて講演を行った。

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ディーツー コミュニケーションズの藤田明久社長

 藤田社長は講演の中で,マーケティング業界でよく言われる,「AIDMA」(アイドマ)という用語を紹介した。Aは“Attention”(注意をひかれる),Iは“Interest”(興味を持つ),Dは“Desire”(欲しいと思う),Mは“Memory”(覚えておく),最後のAは“Action”(行動を起こす=買いに行く)で,ユーザーが広告を見てから実際に購買に移るまでのプロセスを表した言葉だ。

 情報が氾濫し忙しい世の中では,AIDMAの中の「M」と最後の「A」の距離が遠いのだという。

 「せっかく家にいるときにテレビ広告を見て,興味を持ってもらっても,日常生活の中で新たな情報刺激に上書きされ,次の日に家を出た時には忘れてしまっている(購買に結びつかない)」(藤田社長)

 藤田社長は最近,広告業界で人気があるのが交通広告であることにも言及。電車内など移動中に広告を目にすることにより,AIDMAの「M」と「A」の間に“remember”をいくつも重ねることが重要なのだという。

 「しかし,電車の広告には弱点があって,東京,名古屋,大阪ぐらいでしか使えない。地方部ではちゃんと広告を貼ってくれなかったり,車通勤が多かったりする。そこで登場するのが携帯電話だ」(藤田社長)

 携帯電話なら全国に普及している上に,“remembaer”に加えて最新の情報を届ける“recency”や,その場で情報にアクセスできる“request”の効果もある。3つの「r」によって「最後の誘導を補う」(藤田社長)のが携帯電話マーケティングの効果だという。

テレビのCMがなくなるわけではない

 藤田社長はテレビ広告など既存のマスメディアについては,「マス広告は重要」と強調する。

 「携帯電話の(うたい文句などを一行載せるような)広告にしても,その元々の広告を知らなかったらアクセスしない。やはり最初に知ってもらうにはマスが優れている」

 あらかじめテレビなどで大々的に広告を打った上で,うたい文句やロゴなどを見たらちゃんと商品が連想される状態を作り上げておく。その上で,表現力の面で劣る部分のある携帯電話に,一行の文句や小さな画像を掲載するのが有効なのだという。

 「従来手法にモバイル広告を加えて,マス広告・販促の効果をさらにアップ」(ディーツー コミュニケーション)。同社はモバイル広告について,ユーザーを購買地点に連れてくる最後の後押しをするという,いわば「ラストワンマイル」を結ぶ役割だと主張している。

[杉浦正武,ITmedia]

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