J-フォンの第3世代携帯は“デュアル端末”?──Green社長J-フォンのGreen社長は日本テレコムの決算説明会に出席,来年6月に始まる第3世代携帯電話サービスの導入を,計画通りに進めることを明らかにした。同氏によれば,その導入にあたって重要になるのは“デュアルモード端末”だという。
「3Gは全部計画通りに進める。(その普及にあたっては)デュアルモードが非常に重要。そんな端末を実際に開発中だ」。11月21日,日本テレコム・J-フォンの中間決算概要説明で,J-フォン社長に就任したDarryl E. Green氏は第3世代携帯電話導入の見通しをこう語った。 J-フォンは第3世代携帯電話サービスを,英Vodafoneグループと協調して2002年6月から開始する予定。「Vodafoneグループは2億1000万人の契約者を持つ。3Gになっていくとシナジー効果がさらに増す」(Green社長)
方式,速度などはドコモと同等J-フォンの第3世代携帯電話導入スケジュールは以下の通りだ。
ただ同社は,3G導入に際して,“デュアルモード”の重要性を強調する。この“デュアル”の具体的な内容は不明だが,NTTドコモのFOMAのようにシングルモードの端末ではなく,現行のPDC方式とのデュアルモードということらしい。これは“状況によっては第3世代携帯電話だけに注力するわけではない”とのニュアンスも含まれているようだ。 J-フォンの林義郎会長は「読めないのは,次世代(携帯電話サービス)の普及スピード。全世界的に遅れている」と冷静に分析。「(導入スケジュールは)一応決めているが,状況を考えながらやっていく」と慎重だ。 J-フォンはFOMAとは細かなバージョンは違うものの,同じW-CDMA方式を採用する予定。速度も同等のようで,「パケット通信のダウンリンクは384Kbps,アップリンクは64Kbps。ドコモと同じで64Kbpsの回線交換にも対応する」と林会長。 料金水準は「音声は今(PDC)と同じ。データは検討中」(林会長)だという。 絶好調をアピールするJ-フォンそもそも日本テレコムの決算説明会にJ-フォンが登場したのは「グループとして日本テレコム単体の3倍(の規模)になるJ-フォンの重要性が高まった」(日本テレコムの村上春雄社長)から。 説明に立ったJ-フォンのGreen社長は,今年の好調ぶりをアピールする。既に東海,東北,中国エリアではNCC(新電電)ナンバーワンを獲得しており,特に東海エリアではシェア27%を占めている。「早く日本全体でNCCナンバーワンの位置を獲得したい」(Green社長) 今の好調さを持続すれば数カ月後には,このNCC(新電電)ナンバーワンの地位にたどりつけそうだ。なにしろ今年の5月から純増シェアは25%以上を維持,8月には34%を達成した(9月7日の記事参照)。その勢いは「計画よりも15万回線多かった」とGreen社長が語るほど。
その好調を支えているのは,Javaなど新テクノロジーの導入と,何より“写メール”だ。Green社長は街を行く人々に写メールについてインタビューした映像を流し,「写メールという言葉は,1年前には存在していなかったが,今ではほとんどの人が知っている」と普及が進んでいることを示す。 添付ファイルに対応したJ-フォンのメールシステム「ロングメール」は,この1年間でトラフィックが514%に伸びており,「ここにも写メールの効果がはっきりと現れている」(Green社長)。 写メールなどデータ系サービスの普及は,ARPU(ユーザー当たり月間平均収益)の変化からも見て取れる。最近の携帯キャリアの例に漏れず,J-フォンの音声系ARPUも減少気味。だがデータ系の収益が急速に立ち上がり,それをカバーしている。「非音声もこれから。まだまだ伸びている」(同)。
コンシューマーには強いが,法人に弱いことが指摘されるJ-フォン。だが,その部分をこれから補完するのが,法人に強いVodafoneだ。「Vodafoneと一緒になると,特にグローバルな企業に興味を持ってもらえるのではないか」(同)。Green社長は具体的な内容までは語らなかったものの,Vodafoneブランドを武器に法人ユーザー獲得を狙っていることを明らかにした。 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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