PDA向けオンラインコンテンツショップ「@irBitway」,11月30日にオープン

デジタル雑誌やゲームなどのコンテンツをPocket PCやPalmからオンラインで直接購入できるPDA向けコンテンツショップ,「@irBitway」が11月30日オープンする。運営する凸版印刷では,初年度の売上げ目標を5億円としており,かなりの意気込みだ。

【国内記事】 2001年11月27日更新

 凸版印刷は,PDA向けのコンテンツポータルサイト「@irBitway」を11月30日オープンする。

Photo

 同社は,1999年7月にPC向けコンテンツ販売サイト「ビットウェイ」をオープン,コンテンツの課金サービスを開始した。サイト開始当初はアイドル系グラビアと占いの2つのコンテンツで1カ月に5000件という販売数だったが,今では70社,1万アイテムが用意され,毎月の販売数は18万件に達するという。

 しかし,PC向けコンテンツが購入される時間帯は主にユーザーが自宅にいる22時から夜中の2時に集中している。PDA向けにコンテンツ販売を開始することで,昼間の時間帯にもコンテンツを購入してもらおうというのが同社の狙いだ。初年度の売上げ目標が5億円ということからも,同社の力の入れようがわかる。

 凸版印刷によれば,無線LANやCF型PHSデータ通信カードなどの通信インフラや,Pocket PC,PalmデバイスなどのPDAが普及し始めていることから,「いつでもどこでも簡単に購入でき,楽しめるコンテンツのニーズが増えてくることを予測し,サービスを開始することにした」(Eビジネス推進本部長の東田収司常務)という。

 サイトのオープン当初に対応するPDAは,Pocket PCとPalmデバイスだが,将来的にはWindows CEベースのPDA「カシオペア ラジェンダ」や,ザウルス,携帯電話などに向けたコンテンツの販売も視野に入れているとのことだ。

Photo
Palmデバイスからアクセスした「@irBitway」のインタフェース

人気雑誌,ゲームなど“暇つぶし”に最適なコンテンツを用意

 PDA向けに提供される主なコンテンツは,以下の通り。

提供 コンテンツ名 概要
講談社 「Friday」 対応機種:Pocket PC/Palmデバイス,月額800円,毎週更新
マガジンハウス 「ちび Magnet CAFE」 対応機種:Pocket PC/Palmデバイス,月額500円,毎週更新,12月末提供開始
兼松エレクトロニクス 「ゲンダイネット 芸能」 対応機種:Pocket PC/Palmデバイス,月額500円,毎日更新
ロイド 「コブラ」PDAコミック 対応機種:Pocket PC/Palmデバイス,300円,12月末提供開始
エディア PDAガイドブック「ラーメンガイド50選」 対応機種:Pocket PC/Palmデバイス,月額500円
@irBitway Pocket PC用PIMソフト「キャラクターPIMソフト」 対応機種:Pocket PC,月額2480円)
イリンクス Palm用オリジナルWebブラウザソフト「だっこちゃんXiino」 対応機種:Palm,2480円,2月28日までサイトオープン記念価格1000円で販売
ルディゲームス 「Infections Ground」 対応機種:Pocket PC,1980円

 書籍系のコンテンツは,イリンクスのPalmデバイス用Webブラウザ「Xiino」用のチャンネル形式が主体となっている。チャンネル形式はHTMLコンテンツをまとまった形のファイルとしてダウンロードし閲覧できるフォーマット。Pocket PC用にはビューワ機能に特化した「Xiino」のエクスプローラプラグインが用意され,チャンネルコンテンツを閲覧できるという。

 このほか,パケットビデオとの共同開発によるPocket PC向けライヴ中継,ニュースコンテンツなどの動画の有料配信も予定している (Palmデバイス向けにも動画配信を検討中) 。

Pocket PC,Palmそれぞれのデバイス向けのサイトを用意

 サイトの入り口にはPocket PC向けとPalmデバイス向けのページがそれぞれ用意され,ジャンル別カテゴリ,スタイル別カテゴリなどから目的のコンテンツを検索することが可能だ。

 コンテンツはCPU別になっており,自分のデバイスに合ったコンテンツをダウンロードできる。Palmデバイスは,.prcファイルで提供されるが,近い将来にはサイズの大きなコンテンツ向けにZIP形式で圧縮されたファイルのダウンロードも可能になる予定。

 同サイトの特徴は,アクセスしたデバイスをサーバ側が自動的に判断,それぞれのデバイスに最適化されたコンテンツをダウンロードできる点。Pocket PCユーザーが誤ってPalm専用コンテンツをダウンロードしようとした場合には,Pocket PC向けサイトに自動的に飛ぶような仕組みがあるという。

Photo
Palmデバイス用コンテンツのダウンロードページ

PDA用オリジナル課金システム「Check-bitway」を用意

 @irBitwayはPC上から購入できるだけでなく,オンライン状態のPDAから直接,Web経由でコンテンツを購入し,ダウンロードできる。これも特徴の1つだ。同社では,PDA用にオリジナル課金システム「Check-bitway」を導入,Pocket PCやPalmデバイス,Windows,MacintoshといったさまざまなOSから課金できるようにした。

 このシステムでは,一括与信を行うことで,待ち時間を減らし,低価格商品への対応を可能にした。また,OSを自動認識してサイトの表示を自動的に切り替えたり,ブラウザの種別を認識して,SSL対応を自動判別したり (SSL機能を備えていないブラウザの場合,対応ブラウザを利用するよう勧めるページに誘導する) といった,PDA対応サイトならではの工夫も施されている。不安定なワイヤレス通信からのアクセスも考慮,通信回線切断時にはリカバーする認証状況判別機能も備えた。

 利用に際しては,ユーザーが@irBitwayサイトにアクセスして名前や住所,クレジットカード番号などを入力,会員登録すると,IDとパスワードが発行される。あとはIDとパスワードを入力するだけでコンテンツが購入可能だ。

 決済方法は,サービス当初は,クレジットカードによる (VISA,Master,JCB,AMEX,Diners) 月額課金もしくは件数課金のみ。しかし,来年4月には電子マネーによる課金も予定している。

コンテンツプロバイダ向け各種機能も用意

 同社では,コンテンツ供給側に対しても,さまざまなサービスを用意している。たとえば,世界中のどこからでもコンテンツの申請が可能な「オンラインコンテンツプロバイダ仮登録申請機能」や,入稿したコンテンツの一覧と状況を確認できる「コンテンツ一覧機能」,コンテンツをオンラインで入稿可能な「オンラインコンテンツ入稿機能」,コンテンツごとの売り上げを確認する「売り上げ情報確認機能」などがそれだ。

 また,基本的にはコンテンツプロバイダベンダー側が各PDAに最適化された形のコンテンツを用意し,@irBitwayに入稿する仕組みだが,@irBitwayが受託してコンテンツの変換を行うことも可能だという。

PDAの一般層への浸透のきっかけになるのか

 凸版印刷Eビジネス推進本部の小森雅夫事業戦略室室長は,「オープン時は50社100コンテンツを,2002年3月までには300コンテンツを用意する予定。PDA先進国の米国をはじめ,ヨーロッパ,韓国などのコンテンツも取り扱っていく。パートナーとのコラボレーションによるコンテンツ制作に積極的に関わり,世界に通用するコンテンツを作りだし,PDA市場を活性化させたい」と,その抱負を語っている。

[後藤祥子,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!