携帯Javaで盛り上がるJavaOne──JXTAのMIDP版も

横浜で開かれているJavaのデベロッパーカンファレンス「JavaOne」は,日本で1000万台近くが普及している携帯電話向けJavaで盛り上がった。

【国内記事】 2001年11月28日更新

 米国外で初めてとなるJavaOne──Javaのデベロッパーカンファレンスが11月28日,パシフィコ横浜で開幕した。

 今回のJavaOneは携帯電話が話題の中心。初日午後の基調講演にはNTTドコモのiモード事業本部長である榎啓一氏がゲストスピーカーとして登場した。モデレータを務めたSun MicrosystemsのJohn Gage氏は「Java対応のデバイスの数を最大にしてくれた」と榎氏を紹介し,日本市場がJavaにとっていかに大事かを強調した。

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基調講演のゲストスピーカーを務めた,NTTドコモのiモード事業本部長榎啓一氏

年末には1000万台突破──503iシリーズ

 榎氏は,全世界のJava搭載携帯電話の8割を占めるといわれるドコモの503iシリーズの現状を語る。11月25日の時点で2920万5000契約を誇るiモード契約数のうち,iアプリに対応した503iシリーズは914万。「年末には1000万契約を突破するのではないか」(榎氏)

 また10月にサービスを開始し(9月3日の記事参照),11月19日には動画クリッピングサービス「iモーション」にも対応した(11月14日の記事参照)第3世代携帯電話サービスFOMAもアピール。「(iモーションは)現在はJavaと独立して動いているが,次の展開としてはJavaからiモーションを駆動させることを考えている」と語った。

 携帯に搭載するJavaの高機能化だけでなく,“携帯に搭載されたJavaをいかに活用するか”に,ドコモの意識は向かっているようだ。2次元バーコードを使ってiモードと連携できる自動販売機,「Cmode」のコンセプトを拡張し,JavaからBluetoothやIrDAで携帯と自動販売機連携できるようにしていきたいと榎氏は言う。

 「今後は,単にJavaをダウンロードして楽しむトイウクローズドな世界ではなく,自動販売機やコンビニと(Javaを連携させた)水平展開をしていきたい」(榎氏)

JXTAのMIDP版も登場

 続いて基調講演に登壇した米Sun MicrosystemsのJames Gosling氏は,オープンソースプロジェクトのP2Pプロトコル「JXTA」のMIDP版を披露。JXTAは「小型で優雅で簡単なP2Pプロトコル。分散アプリケーションを簡単に実現できる」(Sun Microsystems)もの。

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基調講演のモデレータ,John Gage氏(左)とJames Gosling氏(右)

 Java2は,その規模と機能によって大きく3種類に分類される,そのモバイルデバイス向けはJava2 Mobile Edition(J2ME)と呼ばれる。携帯電話に搭載されているのは,J2MEのうちMIDP(Mobile Information Device Profile)と呼ばれる規格をベースとしている(4月25日の記事参照)。ドコモのiアプリはMIDPとは別のものだが,機能面では似通っている。

 コンピュータ同士が直接データを交換するコンピューティングモデルであるP2Pが携帯電話で利用できれば,サーバに大きな負荷をかけずインタラクティブなサービスを実現できる。

 Gosling氏は,「ささいな問題があって実機ではデモできないが」と断りながらも,MIDP版のJXTAをPC上のエミュレータを使ってデモンストレーション。携帯電話上のJavaとPDA上のJavaをJXTAによって接続し,チェスを行ってみせた。

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 JXTAはJava2 Standard EditionとJ2ME向けに実装が進んでおり,11月28日からMIDP版のダウンロードも可能になった。MIDP版のサイズは30K〜50Kバイト。ただし現状ではデバイスが多様であることや,MIDPのアプリケーションモデル自体に課題は残っている。「携帯にはさまざまなデバイスがあり,デバイスに依存するアクセスもある」(Sun Microsystems)

[斎藤健二,ITmedia]

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