ソフコン2002 3rd Edition featuring l'agenda"
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【国内記事】 | 2001年11月30日更新 |
カシオ BE-500「l'agenda」 (ラジェンダ) は,Windows CEのマシンの中でもかなり異彩を放っている。それは,l'agendaがH/PCでもPocket PCでもPalmSize/PCでもない,ということからくるものだ。
l'agendaはWindows CEでありながらも独自のシェルを搭載し,今までのCEマシンにないインタフェースを持っている。普通に買ってしまうと高機能な電子手帳のように思えるだろうが,実はWindows CEマシンであり,ソフトの開発・インストールも可能なのである。
実は,l'agendaではWindows CE用ソフトがそのまま動作する場合も多い。だが,既存のWindows CE用ソフトがそのまま動いたとしても使い勝手が悪かったり,さまざまな問題が生じることがある。そのためl'agenda専用のソフト開発を行う必要があり,専用SDKもカシオから配布されている。
l'agendaは初心者向けのCEマシンであり,ファイルシステムも普通に使っている時は見ることがないように作られている。しかし,だからこそ開発者にとっては,このような「電子手帳」的マシンで自分が作ったソフトが動く快感を味わいたくなるものである。最近のCEマシンが高機能化し,よりパソコンに近づいていく中で,「パソコンっぽくないマシン」で自分のソフトを動かしてみてはどうだろうか。
開発者から見た場合,l'agenda BE-500は既存のWindows CEマシンと比べてどのような特徴を持っているだろうか? いくつか挙げてみたい。
l'agendaがサポートしているのは,原則としてPalmSize/PCのAPIだと考えることができる。Pocket PC用のAPIはサポートしていない。
l'agendaにはスタートメニューもないしデスクトップもない。エクスプローラ的なソフトも存在しない。l'agendaオリジナルの電子手帳ライクなシェルがあるのみである。このオリジナルシェル用のAPIがSDKで提供されている。
l'agendaはActiveSyncを使わない。独自の同期ソフトを使う。また,この同期ソフトはエクスプローラ機能を持っていない。つまり,ソフトをインストールするときに「ActiveSyncでコピーしてください」は通用しないのだ。l'agenda用のインストーラが必要となる (RAPIも異なるので既存のCE用インストーラは使えない) 。
l'agendaは不揮発性のフラッシュメモリ (NANDディスク) と揮発性のRAMという二重構造でファイルを管理している。具体的には\Nand Disk配下がフラッシュメモリであり,それ以外のフォルダは電池がなくなったり,リセットしたら消えてしまう。これはl'agendaを高速化させるために取り入れられた仕組みであり,アプリケーション開発者はこれに対応しておかないとリセット時に設定情報がすべて消えるなどの問題が出ることになる。
[古原伸介,ITmedia]
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