News 2000年7月6日  9:25 PM 更新

ドコモ,ドリーム・アーツ,コンパックがiモードを使ったビジネス向けASP事業でコンソーシアムを設立

 コンパックコンピュータとドリーム・アーツは7月6日,NTTドコモの協力を得て「ビジネス・モバイル・イニシアチブ」(BMI)を発足させると発表した。iモードやPalmデバイスとの連携が可能なグループウェア「INSUITE」を持つドリーム・アーツ,IAサーバの販促を進めるコンパックと,新しい市場として「iモードのビジネスユースでの使い方を模索していた」(NTTドコモ法人営業本部の潮田邦夫副本部長)NTTドコモの思惑が一致した。

左からコンパックの吉田常務,ドリーム・アーツの山本社長,NTTドコモの潮田副本部長

 BMIは,急速に拡大するモバイルのビジネス需要に対して,iモード端末をフロントエンドとする企業向けアプリケーションサービスのターンキー・ソリューションを提供することで環境を整えるのが目的だ。もっとも,iモード,コンパックのIAサーバ,ドリーム・アーツの「INSUITE」を使ったシステムが前提となっており,一般的な“コンソーシアム”に比べると事業色が濃い。コンパックの吉田雅彦常務は,BMIの目的について「全国からパートナーを募り,本格的なビジネスモバイルのリーダーシップをとることだ」としている。全国の中小ITプロバイダーをSDC(Small Data Center)化し,囲い込みを図る狙いがある。

 BMIの核となるINSUITEは,ドリーム・アーツが「もともとLinuxベースのナレッジマネジメントツールとして開発したもの」(同社の山本孝昭社長)。データベースにディレクトリ形式で情報を格納できる点が特徴だったが,「時間軸の中でナレッジを共有したいという要求があり,そのメタファーとしてスケジューラなどを加えてグループウェアの形にした」(同氏)という。このため,通常のグループウェアにあるメーラやスケジューラ,共有施設管理といった機能に加え,時間軸に沿ったデータの管理/共有,入力されたデータのグラフ化,CSV形式での書き出しといったナレッジシェア機能を備えている。

 また,独自のWebページジェネレータにより,ユーザーはHTMLの知識なしで,社内向けの報告書から顧客に向けたiモード用のアンケートページ,その集計グラフなどを速やかに制作できる点も特徴だ。「iモード用のアンケートシステムなら5分で完成する。途中で内容を変更したり,項目を追加したりといったことも可能だ」(山本氏)。

 デモンストレーションでは,実際にiモード端末に向けたアンケートページをその場で制作し,INSUITEのメーラから来場者に通知して見せた。入力結果はデータベースに自動的に格納され,リアルタイムでグラフ化された。

 BMIでは,3種類のターンキーシステムをラインアップする。基本セットの「BMIスタートアップ・パック」,SDC向けの「BMI SDCソリューション・パック」,大手プロバイダに適した「BMI iDCソリューション・パック」だ。違いは,主にサーバの規模とINSUITEのライセンス数などで,例えばSDCソリューション・パックには,ラック,1Uタイプのサーバ1台が含まれている。BMIでは,9月には各ソリューションパックをリリースするとともに,パートナー向けのセミナーを開催する予定だ。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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