News 2000年11月28日 08:01 PM 更新

LモードがNTT法に抵触?

新電電や外資系通信会社8社は,東西地域会社のLモードは事実上の長距離通信だと申し立てを行い,郵政省はこれを受理。地域会社にLモードの事業詳細を報告するよう要請した。

 郵政省は11月27日,NTT東西地域会社に対して,来春開始予定の「Lモード」について,事業内容の詳細を報告するよう要請したと発表した。新電電や外資系通信会社が郵政省に対し,Lモードが地域通信事業に業務を限定しているNTT法に抵触する可能性があると申し立てを行い,受理されたためだ。Lモードは,液晶ディスプレイ付きの固定電話を利用し,家庭向けにiモードライクなサービスを提供しようというもの(10月18日の記事参照)。

 郵政省に申し立てを行ったのは,DDI,東京通信ネットワーク,日本テレコム,日本BT,ケーブル・アンド・ワイヤレス・アイディーシー,KVHテレコム,レベルスリー・コミュニケーションズ,MCIワールドコム・ジャパンの8社。「Lモードは事実上の長距離通信であり,NTT再編の主旨が損なわれる」とLモードを批判している。

 今回の申し立ての焦点となっているのは,エンドユーザーがLモード端末から接続するアクセスポイントから,東西地域会社がそれぞれ1カ所ずつ設置するゲートウェイへの接続方法。例えば,東京にゲートウェイを設置した場合,北海道のアクセスポイントから接続すると,当然,長距離通信になる。新電電や外資系通信会社は,「長距離通信サービスを含んでいるのに,あたかも自前のサービスのように説明し,さらに料金体系まで自分たちで決定するのには問題がある」と強調する。


Lモードの概要説明図。アクセスポイントとLモード・ゲートウェイの接続方法が焦点に。説明図はNTT東日本のニュースリリースのもの

 今回の要請について,NTT東日本では「Lモードについて何も問題はない」と主張する。「アクセスポイントとゲートウェイの接続には,他社の回線を使用し,NTT地域会社はアクセスポイントまでの回線を提供する」(NTT東日本広報)というのが言い分だ。ただ,東西NTTは当初,アクセスポイントとゲートウェイを自前の回線(しかも専用線ではなく,加入者線・ISDN)で接続すると説明していたはずだが,「そんなことは言っていない。(アクセスポイントとゲートウェイの接続には)最初から他社の回線を使うとしていた」(同)と話している。

 なお東西NTT地域局は,12月8日までに報告要請についての対応策を決める必要がある。

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[中村琢磨, ITmedia]

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