News 2001年5月9日 11:57 PM 更新

パイオニア,HDD内蔵カーナビを発表

パイオニアは2.5インチHDDを搭載したカーナビゲーションシステム「HDDサイバーナビ」シリーズを発表した。CDを再生すると自動的にMP3エンコードし,ハードディスク上に楽曲ライブラリを作成する「ミュージック・サーバ」機能を搭載したのが特徴。


7型ワイドディスプレイやVICSのビーコンユニットをセットにした「AVIC-XH07V」(31万5000円)

 「カロッツェリア」ブランドでカーオーディオ製品を販売しているパイオニアは5月9日,2.5インチHDDを搭載したカーナビゲーションシステム「HDDサイバーナビ」シリーズを発表した。HDDを使うことで,ルート検索などの操作を高速化したほか,MP3ファイルを記録/再生できる業界初の「ミュージック・サーバ」機能も搭載している。価格は,ユニット単体で19万8000円から。

 ミュージック・サーバは,CDを再生すると自動的にMP3エンコードし,ハードディスク上に楽曲ライブラリを作成する仕組み。HDDの容量は10Gバイトで,このうち2Gバイトを楽曲データ保存用に確保している。「内蔵HDDにはCDアルバムで約20枚分の録音が可能だ。また,別売の拡張用HDDユニットを接続することで,新たに約1500〜2000曲分を収納できる」(パイオニア)。また,HDD内に予め15万件におよぶCDのデータが保存されており,タイトルやアーティスト名,ジャンルなどを手入力することなく,登録することが可能だ。新譜など,HDD内に収録されていないものに関しては,携帯電話を介してデータをダウンロードすることができる。

 さらに,地図データをHDDに収納したことと,CPUの高速化により,従来のCD-ROMやDVD-ROMメディアを使ったシステムに比べ,ルート検索をはじめとする各種の操作が飛躍的に速くなったという。例えば,「JR鹿児島駅からJR札幌駅へのルートを検索すると,1秒未満で結果が表示される。走行中に道を間違えてもオートリルートが瞬時に働く」(パイオニア)。標準で内蔵するデータベースは,住所で約2800万件,電話番号で約3000万件など。

 ただし,HDDを使用したが故のデメリットもある。例えば,従来のDVD-ROMならば,地図データのアップグレードは新しいDVD-ROMを購入してくればよい。しかし,サイバーナビの場合,バージョンアップ時に有償のデータ書き換えサービスを利用しなければならない。また,書き換えの際,ユーザーが登録したデータの維持は保証されないという。「登録地点などの重要なデータは,オプションのPCカードメモリにバックアップする必要がある。音楽データなどは,別売のセカンドHDDに転送・保管することができる」(パイオニア)。

 本体は1DINサイズで,ナビゲーションの基本部分である3DジャイロセンサーやFM多重チューナー,PCカードスロット,および2機分のHDDスペースなどを確保した。ラインアップは,基本的にCDドライブ搭載の「AVIC-H07」(19万8000円)と,DVD/CDドライブを採用した「AVIC-H09」(23万円)の2種類。このほか,7型ワイドディスプレイやVICSのビーコンユニットをセットにした「AVIC-XH07V」(31万5000円)が用意されている。オプションの追加HDDは,10Gバイトで2万9800円。いずれも6月上旬に発売予定だ。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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