News | 2001年10月22日 10:58 PM 更新 |
NTT研究所と本田技術研究所が開発した「次世代車載情報提供システム」。走行中にハンズフリーで電話やメールの応答ができたり,エリア情報をリアルタイムで取得できたりと,“豊かなドライビング”を実現するものだ。
10月22日,小雨の降るなか,神奈川県・横須賀のNTT通信研究所で同システムに対応した自動車に乗車してみた。注目されるテレマティクス(車載IT技術)の実力や如何に?
IT技術で武装したのは,ホンダの「ステップワゴン」。外見的に目立った特徴はなく,市販されているものと変わらない。IT技術を搭載した実験車両ということで,ハイテク機器満載の車内を予想していたのだが,内装もまったくのノーマルでちょっとがっかり。もちろん,機器の実装に関して問題がないということが証明されてはいる。
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シンプルな外装。市販車と変わらない |
発信する前に,デモンストレーション担当者から,「音声認識を行うので,運転中はどうぞお静かに。質問は最後にまとめて受けます」との注意を受ける。音声認識は,「ハンズフリーであらゆる操作が行える」というコンセプトを持つ次世代車載情報提供システムの命綱。音声認識に障害があっては,デモンストレーションもままならない。
それでも,実用に耐えるには多少の雑音はクリアしなければならないはずだが,実は,同システムではNTTドコモの「FOMA」を利用してネットワーク上にある音声認識エンジンとやり取りする必要がある。FOMAの音質がPCD方式の携帯電話より音質が向上しているとはいえ,電話越しの音声を認識するのはなかなか難しいようだ。
ちなみに,音声認識エンジンには「特に電話音声入力に対して高精度を発揮する」(NTT研究所)という「VoiceRex」を採用している。確かに,デモンストレーション中に,誤認識することは全くなかったのだが,今後は,騒がしい環境でも正確に音声を認識できるようチューンナップされることを期待したいものだ。
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FOMA端末は,組み込みではなく,後部座席に端末が置かれていた。実用化に際しても,普段使用しているタイプをそのまま持ち込むケースを想定しているという |
次世代車載情報提供システムの特徴の1つに,「地域密着型情報配信」がある。これは,コンテンツ配信用のサーバにデータが登録されているスポットに近づくと,自動的に案内文が読み上げられるというもの。配信する文章の内容や,アナウンスが流れる場所などのデータ登録はPCから行えるという。