News:っぽいかもしれない 2002年3月28日 08:28 PM 更新

っぽいかもしれない:帰ってきたROBODEX。“かたよった”みどころ紹介(1)

ROBODEXが帰ってきた。ホンダやソニーの2足歩行ロボットはもちろんなのだが,それ以外にも,いっぱいおもしろそうなやつを見つけた。

 3月28日より31日までパシフィコ横浜(横浜国際平和会議場)でROBODEX2002が開催されている(公式サイト)。2000年秋に開催された第1回のときには高い注目を集め,こどもからお年寄りまで多くの来場者を集めたあのイベントの第2回だ。27日のプレスプレビューをまず見てきた。

 もちろん,高い注目を集めるのはホンダのASIMOやソニーの新二足歩行のSDR-4Xなんだけど,それ以外にもおもしろいものがいっぱいある。そういうものを紹介してみよう。

Robovie III

 まず,「Robovie III」。去年のロボフェスタ神奈川の最初の横須賀会場で静態展示されているのを見て以来,ずっと動くところが見たいと思っていたやつだ。ロボフェスタ神奈川の最後の横浜会場(横須賀より3ヶ月後)で,「できてますか?」ってきいたら,「予想外のトラブルがあって間に合いませんでした。来年のROBODEXでどかーんと」という話だったのだ。

 RobovieはATRのメディア情報科学研究所のロボットだ。いまRobovie IIというバージョンが,あちこちのイベントで人気者になっている(今回のROBODEXにももちろんいる)。なんてたって愛想がいいのだ。見た目がかわいいロボットはいっぱいいるんだけど,これだけ愛想がいいやつっていうのはまだあんまりない。

 胸にある触覚センサーを押すと「ダイスキ」っていったりする。そのままハグして「キスして」まで言うのだ。で,片手を伸ばして「つれてって」までいってくれる。どこまでも連れていきたくなるよ。

 なんでこいつはこんなに愛想がいいのかってことについては,最初に今井倫太さんに詳しく伺った。

 見てきてくれましたか? 面倒だからいやだ? う,そうだとするとわたしはRobovieに負けていることになる(負けて悔いなしだけど)。

 Robovie IIIはこのコンセプトを反映させて,「日常生活の中にいるロボット」としてさらに完成度があがっている。人→ロボット→人っていうコミュニケーションもサポートできるし,さらにはロボットを触媒(ようするに会話のネタだな)としての,人→人のコミュニケーションまで考えられるはずなのだ*1

 という期待を抱えてATRのブースに行ってみる。いたいた。Robovie IIといっしょに,IIIもちゃんといる。腰のラインがキュート。


「III,できましたか?」

「いや,まだ。上半身を動かすプログラムが完成していなくて」

 あややや。前後に行ったり来たりはしているんだけど,そんなのはRobovieのうごきじゃない。腰を曲げておじぎするところとか,1本だけある指を顔の前で振って「ちっちっち」っていうところとか見てみたかったよ(いや,ほんとにそんなことするのかどうかは知らないけど)。

 最終日までにはある程度は,って話もあったんだけど,でも展示しながら調整するのは大変だ。いや,それでもわたしは期待しちゃうけど。

PINOとmorph

 北野共生システムプロジェクトのロボットだ。もうおなじみのPINOは今回もいる。しかも今回はすこしだけど歩くところも見られる。いままでPINOは学会とかビエンナーレとかアカデミックなところでしか歩いていなかったような気がする*2。それがついにわたしたちの前で歩いてたのだ。大人になったんだねぇ。


 その脇にはmorphがいる。去年のCEATECで,村田製作所のブースにいて,あんまりよく動くんで,わたしはかなり惹かれてしまったってやつだ。

 でも,morphは静態展示。VTRでは,前屈した状態からピョンって起き上がるとか,足を開いて座って右足の上に状態を倒す(斜め前屈)とか,なかなかすごい動きを見せてくれる。でも生morphは動かない。

 いま,調整中なんだって。

 今年の6月19日〜25日に,ロボカップ2002が福岡ドームで開催される。ロボットサッカーのワールドカップだ。これはロボットの形状や大きさによっていくつかのリーグに分かれているのだけど,今年から「ヒューマノイドリーグ」が新設されるのだ。そしてmorphは,もちろんそれに出る。

 morphは外部との通信をBluetoothで行なっている。今までそれはmorphを操縦するのに使われていた。でもロボカップではいよいよ本性を現わす。ロボットどうしのコミュニケーションにBluetoothが使われることになるのだ(なんてみんな予測してただろうけど)。

 というわけで,最新のmorphはいまキャンプ中なのだ。こんなところで展示されている場合ではないらしい。生みの親の古田貴之さんは「本物はもっとすごいんです。いやぁほんとに」とこっちのフラストレーションをかきたてる煽り方をしてくれたんだけど,いやぁほんとに見たいぞ,それは*3

おもちゃ系ふたつ

 ソニーのQ.taro*4。ソニーブース内ではSDRやAIBOよりもいい位置に置かれている。


*1ATRからでてくるものは,こういうふうにいちいち深読みができるところが好きだ。
*2WWW上では,http://www.symbio.jst.go.jp/~yamasaki/にムービーがある。
*3福岡に行くしかないよね。 *4Quasi-stable Travelling and Action RObot"(準安定移動行動ロボット)の略なんだそうだ。

前のページ | 1/2 | 次のページ

[こばやしゆたか,ITmedia]