News | 2003年2月28日 01:44 PM 更新 |
キヤノンは2月28日、レンズ交換式一眼レフデジタルカメラ「キヤノン EOS 10D」を発表した。3月下旬から発売する。価格はオープンだが、本体と電源KITのセットでの実売予想価格は20万円前後で、同社一眼レフデジカメでは最も低価格のモデルとなる。
EOS 10Dは、昨年2月に発表された630万画素CMOSセンサー搭載「D60」の後継機種。同社の「EFレンズ」シリーズを使用できる。
目を引くのは、やはりその価格だろう。標準価格で35万8000円のD60(電源セット)が、ライバル機のニコンD100の影響で値下がりしたとはいえ、現在でも実売25万円前後で売られている。これを考えると、かなり思い切った戦略価格と言える。「EOS 10Dは従来機(D60)が狙ったハイアマチュア向けから、さらにユーザー層を拡大。一眼レフデジカメ初心者の入門機として、また一眼レフデジカメ買い増し・買い替えユーザーをターゲットとしている」(同社)。
低価格ながらも機能面は充実。CMOSセンサーの有効画素数やボディサイズなどはD60とほぼ同じで、各種スペックや質感の向上など細かな改良が施されている。
ボディ素材は、上位機種(EOS-1D/1Ds)などにも採用されているマグネシウム合金を使用。「D60のボディ素材はプラスチックだったが、マグネシウム合金にすることで剛性アップとカメラらしい質感が加わった」(同社)。
CMOSセンサーはD60と同じ22.7×15.1ミリ(3:2)の大型単板サイズを使用し、有効画素数は約630万画素となる。D60からの改良点はS/N比が改善されたほか、センサーのプロセス改良/駆動方法改善によって、長秒撮影時の画像劣化と色ムラを低減させた。これらの改善によって高感度域が拡大し、最大ISO1600(拡張ISO3200)での撮影が可能になった。
AF機能も強化され、従来の3点測距から7点測距に変更。合焦したAFフレームが確認できる7点AF対応スーパーインポーズ表示機能も装備した。「当社の銀塩カメラEOS 7と同じAFセンサーを採用。高速マイコンの搭載とAFアルゴリズム/AFシーケンスの改良で、AFスピードと被写体追従能力の高速化が図られている」(同社)。
秒間約3コマの連写ができ、RAWモードでも最大9コマまで連写可能。最大記録画素数は3072×2048ピクセル。色空間はD60で採用していた「sRGB」に加えて「AdobeRGB」にも対応した。
主な仕様は以下の通り。
製品名 | EOS 10D |
形式 | ストロボ内蔵デジタル一眼レフAF・AEカメラ |
マウント | キヤノンEFマウント |
撮像素子 | 22.7×15.1ミリ有効約630万画素CMOSセンサー(総画素数650万、原色フィルター) |
ISO感度 | ISO 100/200/400/800/1600/(拡張3200) |
記録画素数 | 3072×2048/2048×1360/1536×1024ピクセル |
記録方式 | JPEG、RAW(12ビット) |
AF方式 | TTL2次結像位相差検出(7点測距、EV0.5〜18、ストロボ補助光) |
フォーカスモード | ワンショットAF、AIサーボAF、AIフォーカスAF、マニュアル |
シャッター | フォーカルプレーン式全速電子制御メカシャッター |
露出制御 | プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、被写界深度優先AE、マニュアル |
シャッタースピード | 1/4000〜30秒 |
ホワイトバランス | オート、太陽光、くもり、電球、蛍光灯、ストロボ、マニュアル |
ドライブ(連写機能) | 連続約3コマ/秒(最大9コマ) |
ストロボ | リトラクタブル(GN13)、E-TTL自動調光対応 |
液晶ディスプレイ | 1.8型TFT液晶ディスプレイ |
記録メディア | コンパクトフラッシュ(Type I/II) |
電源 | リチウムイオン充電池(ストロボなしで常温650コマ撮影可能) |
サイズ | 149.7(幅)×107.5(高さ)×75.0(奥行き)ミリ |
重さ | 790グラム(電池、CF別) |
価格 | オープン(実売20万円前後、電源セット付き) |
発売時期 | 3月下旬 |
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[西坂真人, ITmedia]
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