News | 2003年5月6日 07:09 PM 更新 |
バイオU PCG-U101は、モバイル利用を重視したミニノートPC。3/12の発表以来、ユーザーの注目を集めながら、再三にわたって出荷が延期。先行予約済みのユーザーをやきもきさせたU101も、ようやく5月10日から出荷が開始される。
今回は、ようやく掲載が許可されたU101の内部写真を中心に、基板設計で「とっても苦労した」基板開発担当のIMNC ITカンパニー6部 新木将義氏と機構開発担当の IMNC VAIO商品開発本部 山本亮氏、そしてU101プロジェクトマネージャーの安形顕一氏に、開発における諸々の裏話を語っていただいた。
従来機種のバイオU PCG-U3とU101の違いは、かたやCrusoe搭載、かたやPentium M(おっと、スペック表にはモバイルCeleron/600A MHzと書いてあったな)搭載。この違いはパフォーマンスやバッテリー駆動時間以上に、基板レイアウトへ大きな影響を与える。典型的な違いはチップセット。Pen……じゃなくてモバイルCeleron/600A MHzではノースブリッジにサウスブリッジの二つ、それもモバイル用にしては、ずいぶん大きいチップを載せなくてはならない。しかもCPUとノースブリッジからの発熱が意外と結構なものになる。
「それ以外でも、意外と場所を取る電解コンデンサが、Crusoeでは1個で済んでいたのにモバイルCeleron/600A MHzでかなり増えてしまい、基板レイアウトでずいぶんと苦労した」(安形氏)というように 、「パフォーマンスを向上させながら消費電力を抑えた、モバイルPC向けベストソリューション」も、実装という観点から考えると、それなりに厳しい制約を開発者に突きつけているようだ。
熱対策もCPUとビデオチップだけを相手にすればよかったU3と比べ、CPU、ビデオチップに加えノースブリッジとメモリも相手にしなければならないU101では、当然条件が厳しくなっている。
「え、メモリから発生する熱も問題になるぐらいなんですか?」 「コネクタの幅が狭くなっているので、エネルギー密度が高くなっているんです。そのため、同じ駆動電圧でも発生する熱が高くなります」(山本氏)
モバイル用途が重視されているU101では、さらに厳しい条件が加わる。きょう体の両側を抱えるように持つ使い方を想定しているため、コネクタ位置やファンの排気口の位置にも制約がある。
「例えば、排気の向きにしても通常のノートPCのように側面に出すことはできない。そのため排気口は背面に向けるようにしています」(新木氏)
[長浜和也, ITmedia]
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