News | 2003年9月18日 05:08 AM 更新 |
初秋の恒例イベント「WPC EXPO 2003」が開幕した。主役のPC関連は、昨年の「Tablet PC」ほどの目玉商品はないものの、各PCメーカーのブースには今年のPC秋冬モデルが勢ぞろいしている(別記事を参照)。
もっとも、PC関連の展示は、ほとんどがすでに発表済みのモデルだ。もちろん、店頭に並ぶ前にチェックしたいというユーザーにとっては、各メーカーの新製品実機にいち早く触れるWPC EXPOはまたとない機会だけに、JR京葉線に乗って幕張メッセまでわざわざ来る価値は十分にある。
だがWPC EXPOにはそのほかにも、近日発売予定の未発表製品から「こんなの発売できるの?」といったコンセプトモデル、「ちょっと作ってみました」的な試作機などいわゆる“参考出展”も目白押しで、この中から近い将来の新製品を予想するという楽しみもある。
“新しモノ好き”なZDNet読者のために、参考出展ばかりを集めた新ネタ満載の「WPC EXPO見どころ」をお届けしよう。
参考出展ラッシュの東芝ブース
“新しモノ好き”なら、必ずチェックしたいのが東芝ブース。WPC EXPOでは、毎回注目の参考出展を行っているからだ。
目を引いたのが、モバイルAV機器関連。HDDに録画したTV番組を無線LANでPCにワイヤレスで送信する小型軽量ビデオサーバ「MPEG-4パーソナルビデオサーバー」と、携帯ビューワー「MPEG-4 Mobile Viewer」を参考出展していた(別記事を参照)。
B6サイズの小型ボディには、20GバイトのHDDを搭載。TV番組をMPEG-4形式で約100時間分録画できるという(転送レート384Kbpsで記録の場合)。録り貯めたコンテンツは無線LAN経由で複数のPCにワイヤレスで配信したり、持ち出して単体でTV番組の視聴も行える。試作機にはPCカードスロットが搭載されており、そこに802.11bの無線LANカードを挿していたが、同社によると「無線LAN機能は内蔵化する方向で、802.11aや802.11gの搭載も検討中」とのこと。
「MPEG-4 Mobile Viewer」は、MPEG-4パーソナルビデオサーバーなどで録画したMPEG-4コンテンツを、モバイル環境で気軽に閲覧するための携帯ビューワー。重さ約250グラムの手のひらサイズボディに、VGA(640×480ピクセル、200ppi)の4インチ低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイと1.8インチ20GバイトのHDDを搭載。2000mAと大容量ながら超薄型のアドバンスリチウムイオンバッテリーを採用し、約2時間の連続視聴が行えるという。SDメモリーカードスロットも用意され、SDカード経由でもMPEG-4映像データのやり取りが可能だ。
また、電子書籍端末「SD-book」も注目を集めていた。同様の製品は、松下電器産業が「ΣBook」を発表しているが、ΣBookがモノクロ表示なのに対して、同社のそれは26万色表示が可能な7.7インチのポリシリコンTFT液晶ディスプレイを搭載。解像度こそΣBookの180ppi相当(7.2型/1024×768ピクセル)には及ばないものの、それでも150ppi(640×960ピクセル)とマンガのネームも十分読める高精細さを備えた。
「試作機はノートPCのパーツを流用しているため、重さが1キロと電子書籍としては重量級のボディになっている。製品化の際は、寝転がって読める400グラム以下の重さにしたい。バッテリー駆動時間も最低2時間以上が目標。来年末ぐらいの製品化を考えている。価格は10万円前後になる予定」(同社)
そのほかの参考出展では、「3D液晶ディスプレイ」(別記事を参照)「インプットディスプレイ」「有機ELディスプレイ」「229ppiポリシリコン液晶」など、ディスプレイ関連の注目製品や新技術を紹介している。
“バイオ”ブランド周辺機器への布石? ソニー、HDDビデオプレーヤー
ソニーのブースでは、HDD内蔵MPEG-2ビデオプレーヤー「ハードディスクビデオプレーヤー」を参考出展していた。
[西坂真人, ITmedia]
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