News:ニュース速報 2003年9月22日 06:47 PM 更新

液晶基板にオーディオ回路を一体形成 シャープが成功

CGシリコンシステム液晶に映像系以外のシステム回路を初めて集積した。液晶から音が出るパネルスピーカーも同時発表。

 シャープと半導体エネルギー研究所は9月22日、システム液晶パネルのガラス基板上にオーディオ回路を一体形成することに成功したと発表した。両社が共同開発したCGシリコン技術を活用したもので、モバイル機器の薄型化・小型化に貢献できるとしている。


オーディオ回路を集積したシステム液晶パネル

 開発したのは640×480ピクセル表示対応の4インチパネル。パワーアンプから12ビットD/Aコンバーター、アナログ入力用プリアンプまで集積した。12ビットD/A変換によりDVDの48KHz PCM信号の再生が可能。圧電スピーカーを駆動できるアナログ出力電力を直接得るため、フラットかつ低ノイズな信号処理特性を達成したとしている。

 CGシリコン技術はシステム液晶の中核技術。ガラス基板上に液晶ドライバなどの外部LSIを一体形成することで実装面積と部品点数を削減し、製品を小型化できる。映像以外の回路をガラス基板上に集積できたのは初めて。


 シャープは同時に、オーディオ回路内蔵システム液晶を活用し、液晶パネルとスピーカーを一体化した「LCDパネルスピーカー」を開発した。

 英New Transducers(NXT)からフラットパネルスピーカー技術のライセンス供与を受けたホシデンが協力した。NXTが開発した圧電駆動素子「DMA(Distributed Mode Actuator)素子」をガラス基板上に装着して振動させ、ガラス面から音声を出す。携帯電話やPDA、ポータブルTVといったモバイル機器への搭載を検討する。

 NXTの技術を使用したスピーカー一体型LCDは、NECが「SoundVu」として2002年12月から販売している。



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