News:ニュース速報 2001年3月26日 05:07 更新

イーベイジャパンが落札手数料を完全無料化

 イーベイジャパンは3月26日,オークションサイトで売り手が支払う落札手数料の完全無料化に踏み切った。またディー・エヌ・エーも4月から落札手数料を無料とするキャンペーンを実施する。オークションサイト国内最大手の「Yahoo!オークション」が4月からの有料化を打ち出しており,これを嫌うユーザーの獲得をめぐってサイト間の競争が激しくなってきた。

 イーベイジャパンではこれまで,アイテムが落札された際に売り手側が落札額の1.5〜5%に当たる手数料を支払う仕組みだった。今後はこれが無料になり,売り手,買い手ともに費用負担なくオークションを利用できるようになる。また同社は同時に,国内サイトの大規模なリニューアルを実施。日本円で出品されたアイテムの検索が容易にした上,出品手続きも簡単にできるようにした。

 同社によると,落札手数料はebayの世界全体の収入の9割を占めるている。日本法人は今後広告料などをメインの収入源とすることになるが,これらが収入全体に占める割合は多くはなかったため,日本法人としての収入は減るものと見られる。

 落札手数料の無料化は日本法人独自の試み。ebayは1月に韓国最大手のオークションサイトを買収するなど,アジア戦略の強化を進めている最中だ。日本法人が打ち出した手数料無料化も「日本市場を重要視している」(同社)という米国本社の戦略に沿うものだという。ebayはオークションサイト世界最大手だが,日本ではYahoo!オークションや「楽天市場」に対しユーザー数で苦戦を強いられているのが現状。同社は「無料化は長期的な視点から。国内ユーザーの認知度を高めたい」としており,思い切った措置でユーザー拡大を狙う。

 一方,オークションサイト「ビッダーズ」を運営するディー・エヌ・エーも,4月1日から5月末までの期間限定で落札手数料を無料化するキャンペーンを実施する。同社の南場智子社長は「ネットバブルの崩壊で,ネットオークション業界も変革期にある。こういう時こそ柔軟かつ思い切った経営戦略の断行が必要」とコメントしている。

 国内のオークションサイトでは,Yahoo!オークションがトップを完全に独走。無料で利用できる手軽さがユーザーを引きつけていたが,違法アイテムの出品が相次いだため,個人認証を兼ねた有料化を4月に導入すると発表している。このため他サイトへ流出するユーザーも多数出ると見られており,イーベイやディ・エヌ・エーは手数料の無料化を武器にこうしたユーザーの再囲い込みを図る戦略のようだ。

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