Athlon 64対応マザーボードとして、GIGABYTE GA-K8VT800Mに続いて市場に登場したのが、AOpenから発売されたMK89-Lであった。前回レビューしたAK86-Lに続き、AOpenのAthlon 64対応Socket754マザーボードだ。
搭載しているチップセットは、シングルチップ構成のNVIDIA nForce3 150。Ultra ATA/133やIDE RAID、6チャネルのUSB 2.0ポート、AGP 8X、ネットワークなど、バスインタフェースを始めとする、様々な機能をnForce3 150が提供している。
ただし、MK89-Lでは、nForce3がサポートしてるネットワーク機能を利用していない。オンボードにネットワークコントローラとしてRealtek製のRTL8110Sを実装しており、これでギガビットイーサネットに対応している。Athlon 64対応のmicroATXマザーとしては、初めてギガビットイーサに対応したモデルでもある。
nForce3 150はシングルチップ構成であるため、ノースブリッジとサウスブリッジを繋ぐバスは存在せず、CPUとチップセットが3.6Gバイト/秒の帯域幅を持つハイパートランスポートで接続されている。Athlon 64とOpteronの場合、メモリコントローラがCPU側にあり、CPUとチップセット間バスをメモリアクセスに使用しないため、3.6Gバイト/秒の帯域がすべて周辺機器のデータ転送に利用できることになる。
ただし、この中にAGP 8Xの帯域である2.1Gバイトが含まれるため、この分をより分けると、通常のチップセット間バスの帯域としては1.5Gバイト/秒程度という考えかたもできることになる。それでも、SiSのMuTIOL 1GテクノロジやVIA Ultra V-Linkなどではチップ間の帯域が1Gバイト/秒であるため、それらと比較して(カタログ的な考察ではあるが)1.5倍のアドバンテージを持っているといえるだろう。
ちなみに、nForce3 150はSocket754用のチップセットであり、Socket930用のチップセットは「nForce3 Professional 150」となる。また、Serial ATAやギガビットイーサなどに対応するnForce3 250もまもなく投入される予定になっている。
ZDNetで掲載した「パーツベンダーに聞く2003年後半の一手その2 AOpen編」にもあるように、MK89-Lは、もともとパフォーマンス指向のmicroATXマザーボードとして企画されている。現在、まだ2つしかないAthlon 64対応チップセットであるが、K8T800よりもnForce3のほうがパフォーマンスに優れるというレポートも数多く出ている。
はたして本当にパフォーマンス重視となっているのか、前回レポートした同社のK8T800チップセット搭載マザーボードAK86-Lと比較しながら見ていくことにしよう。
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