PCのディスプレイでTVを観る。いまでは、さまざまな方法でその実現が可能だ。PCにTVチューナーカードを追加する、あるいは、初めからTV機能を搭載したPCを購入してもいい。RGBディスプレイにNTSCを映すためのアップスキャンコンバーターを接続する方法もある。
そして、もう1つの選択肢が、TV機能を内蔵したPCディスプレイ(または、逆にPC接続機能のあるTV)を導入する手だ。以前は「RGBもTVもいまいちのどっちつかず」という印象も否めなかったジャンルの製品だが、最近のものは品質もよくなっている。
デルが新たな分野への参入の一環としてリリースした「W1700」は、TVチューナーを内蔵し、デジタル放送時代には欠かせないD4端子(コンポーネント)まで備えた、17インチWXGA液晶ディスプレイである。いや、デルのカタログによると、あくまでも「パソコン接続機能つきワイド液晶テレビ」らしい。
コンピュータのメーカー直販を生業とするデルだけに、PCとのセット価格(たとえば120GバイトHDD、512Mバイトのメモリを搭載する「Dimension 2400C」とのパッケージで14万9800円)がまず目をひくが、単体でも購入でき、しかも8万5000円と、TV機能に加えコンポーネント入力もあるディスプレイとしては、価格も比較的手頃だ。
ディスプレイ本体にはスピーカーが左右に配置され、さらにワイド画面ということでかなり横長の印象。しかし、全体にコンパクトにまとまっており、上部に用意された取っ手のおかげもあって、非常に取り扱いやすい。見た目もすっきりしている。
ただ、通常の設置には同梱のスタンドが必須となるのだが、こちらが意外と大きく、デザインもいかにも海外PCメーカー製という趣で、個人的にはどうも落ち着かない。スタンドは高さ調整が可能だが、その動作もあまりスムーズとはいえない。また、電源は外付けのACアダプタ(15×6×3センチ程度)を利用する。
設置が済めば、あとは接続だ。この製品では入力が実に豊富になっている。PC(RGB)はデジタル(DVI-D)/アナログ(D-Sub)の2系統を備えるほか、コンポジットビデオ、Sビデオ入力、さらにコンポーネントビデオが配置され、そして日本モデルには別途、D4端子も装備されている。
これら映像のそれぞれにオーディオ入力(RCAピンジャック)が用意されているので、かなり多くの機器を接続可能だ。また、ほとんどすべての端子で利用するケーブルが付属してくるのもありがたい。残念ながらD4ケーブルだけはないが、コンポーネント用ケーブルまで付いている。
ただし、PC入力はデジタル/アナログ共用としてステレオミニジャックが1基のみで、またコンポジットとSビデオに関しても同じオーディオ入力を共用していることに注意したい。
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