東芝の「dynabook EX」シリーズの2004年春モデルとして、「dynabook EX1」シリーズが登場した。dynabook EXシリーズは、身近で安心して購入でき、デジタルAVライフを楽しむというコンセプト「Living Fun Package」で、昨年の夏に市場投入されたモデルだ。
2004年春モデルのdynabook EX1シリーズは全4モデルが用意され、その中で最上位に位置する「dynabook EX1/522PDETW」では、前モデルの最上位モデル同様、CPUにモバイルPentium4/2.20GHzが搭載されているが、それ以外の3モデルはモバイルCeleron 2.40GHzと、従来のモバイルCeleron/2.20GHzからパワーアップされている。
なお、今回試用したのは試作機のため、実際の製品との使い勝手や仕様等が異なる可能性があることをお断りしておく。
今回の2004年春モデルのパワーアップポイントは、前シリーズに搭載されていた機能の使い勝手を向上させるというアプローチで、スペック面には大幅な変更は加えられていない。
前シリーズ同様、用途に応じて交換が可能な「ライフスタイルパネル」や、DVD Multiドライブなどはそのまま継承されており、それらの機能をいかに使いやすくするか、という点に注力しているのが大きな特徴である。
例えば、「ライフスタイルパネル」にはTVやDVDビデオ、音楽CDの再生が可能な「マルチAVパネル」が加わった。マルチAVパネルを利用すれば、Windowsを起動しない状態でTVの視聴と音楽CDの再生が行える「クイックプレイ」機能が実現される。
これには同社のTransCubeで培ったLinuxの技術が応用されている。HDDに100Mバイトほどの隠しパーティションを作り、そこにLinuxベースのTV視聴用ソフトと音楽CD再生ソフトが組み込まれているのである。
なお、クイックプレイによるDVDビデオの再生は現状ではサポートされず、春以降に対応する予定となっている。
このライフスタイルパネルは、「マルチAVパネル」以外にも、日本語IMEの制御ができる「日本語入力パネル」、オーディオ関係の操作が可能な「オーディオパネル」、シンプルな「フラットパネル」が用意されている。なお、dynabook EX1/524CDEはTV機能を搭載していないため、クイックプレイ機能はオーディオプレイパネルを使った音楽CDの再生のみとなる。
搭載されている15インチの液晶パネルにも改良が加えられている。従来の「Clear Super View液晶」の輝度は180cd/m2だったが、バックライトの本数を変更せずにチューニングしただけで、350cd/m2へと輝度を向上している。
これによって、クイックプレイやWindowsでのTV視聴、DVDビデオの再生などを、明るくくっきりとしたきれいな画面で楽しめるようになった。
また、サウンド面についても仕様が強化されている。上位の3モデルには、新たにharman/kardonのスピーカーシステムが搭載されるようになった。
すでにdynabookシリーズでは「dynabook V9/W14LDEW」でharman/kardonのスピーカーシステムを採用しているが、どちらかといえば低価格なAVノートというに位置づけのEX1シリーズにも採用された点は特筆に値するだろう。
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